セックス依存が原因で借金に苦しんでいるケースも多い。中間管理職でそれなりに収入もある、バツイチ独身のE子さん(45才)はこう明かす。
「相手の浮気が原因で別れてから、しばらく“男断ち”をしていました。でも性欲は増すばかりだし、やっぱり人肌が恋しくて…ホストクラブに行ってみたんです。
案の定ハマってしまい、収入に見合わないお金をつぎ込むようになってしまいました。いまでは貯金をすっかり使い果たし、借金までしています。このままではもたないことはわかっているのですが…」
◆一生つきあっていかないといけない
セックス依存はセックスだけでなく、過度な自慰行為という形で表れることもある。
「最初は息抜きにちょっとエッチな動画を見るだけだったのに、気づいたら1日に6時間も見るようになってしまった。会社から資格試験を受けるよう指示を受けているものの、動画の見すぎで勉強ができず、もう何度も試験に落ちています。出社しても、次は受からなくてはというプレッシャーで仕事が手につかない。それでも見てしまうんです」(30代男性)
「夫とは円満で夫婦生活もあります。でも、どうしてもやめられなくて…。1人で家にいるときには、日中何時間も耽ってしまいます。さらに、外出先の映画館、試着室、トイレでも…。やめよう、やめようって思っているのに」(40代女性)
アパリクリニック理事長で精神科医の梅野充さんが解説する。
「治療はカウンセリングが中心で、うつ病などの治療薬を用いた薬物治療はごくまれです。アルコールや薬物依存と同じで、当事者同士が経験を語り合う自助グループの活動も行われています。
セックス依存は根本的な治療薬のない“疾患”です。回復まで地道に活動を続けるしか道はなく、一生つきあっていかないといけないものかもしれない」
その苦しみは本人にしかわからない──。
※女性セブン2020年7月9日号