ライフ

「新しい生活様式」に逆ギレする中高年にどう対応するべきか

接客にフェースシールド着用も新しい生活様式への対応のひとつ(時事通信フォト)

接客にフェースシールド着用も新しい生活様式への対応のひとつ(時事通信フォト)

 政府が明らかにしている、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例にはまず、感染防止の3つの基本として、1)身体的距離の確保、2)マスクの着用、3)手洗いがあげられている。これを、プライベートでも仕事でも基本とするのが新しい生活様式だ。そのため、これまでは当たり前に行われていたサービスも形を変えざるを得なくなっている。ライターの森鷹久氏が、主に接客の場面で発生している新しい生活様式にまつわるトラブルについてレポートする。

 * * *
 新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした「自粛要請」が解除されたが、ウイルスが完全に封じ込められた、ということでは決してない。今後は、ウイルスが身近にあることを前提とした「新しい生活様式」に沿って日常を過ごしていかなければならない。

 ただ、こうした新たな取り組みは、一部の人にとっては受け入れ難く、場合によってはトラブルにも発展してしまう。

「お釣りをお返しするとき、感染防止策として受け皿にお渡しするようにしているのですが、一部のお客様は、手を差し出し、なぜこちらに渡さないんだと不快感を示されます。男女を問わず、中高年のお客様にこの傾向があり、その都度ご説明をしないといけない」

 こう証言するのは、都内の百貨店勤務・近藤友香里さん(仮名・30代)。客層は富裕層がメインで、客と従業員のトラブルは起こりにくかったというが、コロナ禍以降、こうしたトラブルが増えたと話す。

「従業員はマスクの上にシールドをつけてお客様に対応をしているのですが、どうしても声がこもってしまう。声が聞こえにくい、と怒鳴ったり、シールドを小突いて来られる方もいらっしゃいます。これが、新しい生活様式なのだと説明差し上げても、なかなか理解はしていただけない」(近藤さん)

 千葉県在住の大手配送業者勤務・山中拓郎さん(仮名・20代)も、新たな生活様式を知らない客とトラブルになったという経験を明かす。

「お届け先の方が事前にネットで『置き配』の希望を出されていたので、門を入った玄関扉の脇にお荷物のダンボールを置きました。すると、宅配先のご家族から、営業所にクレームの電話がかかってきたんです」(山中さん)

 置き配とは、玄関前や宅配ボックス、車庫などあらかじめ指定された場所に非対面で荷物を届けることだ。再配達を減らすために宅配ボックスの導入がすすんでいたが、感染予防対策の観点から、配達物の受け渡しもできる限り対面が避けられるよう、以前よりも積極的に活用が進められている。ただ、やはりこうした取り組みをよく理解していない人からすると、置き配自体が「怠慢」に見えるのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン