国内

ネットの「誹謗中傷」と「批評」線引き、「枕営業」はアウト

誹謗中傷が木村花さんを死に追い込んだ(写真/GettyImages=共同通信社)

「お前が早くいなくなればみんな幸せなのにな。まじで早く消えてくれよ」──。毎日100件近くのこれら誹謗中傷コメントにさらされ続けたプロレスラーの木村花さんは、「死ね、気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました。」という言葉を残し、22年の生涯を閉じた。

 この事件を機に、「誹謗中傷はやめよう!」という風潮が高まったが、いままた、不倫騒動を起こしたお笑い芸人・渡部建(47才)へ誹謗中傷が集まっている。「だって、渡部は叩かれるべき悪いことをしたでしょ」という大義名分を掲げて…。彼らは忘れているのか、あるいは知らないのか──。相手が誰であろうと誹謗中傷することは犯罪であり、人を死に追い込む行為だ、ということを…。

「早くなんとかしないと、死んでしまう人が出てくる。そう思っていた矢先に起こったのが木村花さんの事件でした」

 そう語るのは、2019年の「茨城県・あおり運転殴打事件」の容疑者“ガラケー女”と間違えられ、誹謗中傷を受けた女性の弁護を続けているインテグラル法律事務所弁護士・小沢一仁さんだ。小沢さんのもとには誹謗中傷に苦しむ多くの相談者が訪れる。みな一様に「知らない人から悪口を言われて怖い」「知り合いが誹謗中傷をしているかもしれないと思うと誰も信用できない」「殺すと書かれ、怖くて外出できない」とおびえ、いまにも死にそうなほど傷ついているという。

 誹謗中傷コメントを書く側は、「ムカついたから」「相手が悪いやつだから」などと安直な理由やゆがんだ正義感からの行動かもしれないが、木村さんの事件が改めて社会につきつけたものは、言葉の暴力が半ば野放しにされていていいのか、という問題提起ではないだろうか。

◆批評との線引きは心情を傷つけるかどうか

 人の社会的評価を低下させれば名誉権侵害にあたり、人のプライドを傷つければ名誉感情侵害(侮辱)に、住所や学校など公開したくないことを勝手に公にすることはプライバシー権侵害にあたる。

「たとえば、『女優××は枕営業をしている』などという書き込みは誹謗中傷にあたり、刑事罰の名誉毀損罪に問われる可能性があります。民事でも法的責任が生ずることはいうまでもありません」

関連記事

トピックス

岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン