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PCR検査でなぜ「偽陰性」が出るのか 医師が解説

検査の信頼性は?(イラスト/河南好美)

検査の信頼性は?(イラスト/河南好美)

 新型コロナウイルスの感染の有無を判定する「PCR検査」。プロ野球やJリーグがシーズン再開にあたって全選手に対して実施するなど、経済活動再開に向けた様々な動きのなかで活用される機会が増えてきた。

 綿棒で鼻の奥などをぬぐって検体を採取し、ウイルスの遺伝子を増幅して検出する「PCR検査」は、検査体制などを巡って様々な議論が巻き起こった。その一方、「検査で一度は『陰性』と出たのに、再検査をしたら『陽性』だった」という事例が相次いだことも話題となった。なぜこうしたことが起きるのか。『週刊ポストGOLD 正しい健康診断』の中で、ナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師(内科医)はこう解説している。

「本当はウイルスに感染していたのに、検査で陰性と出てしまうことを『偽陰性』と言います。はっきりしたデータはまだありませんが、新型コロナのPCR検査でも3割程度は、『偽陰性』があると考えられています。感染したばかりで体内でまだウイルスが増えていなかったり、たまたま検体を採取した場所にウイルスが少なかったりすることが原因と考えられます。

 逆に、本当は感染していないのに検査で陽性と出てしまう『偽陽性』は、PCR検査ではほとんどありません。ただし、これも人為的ミスなどがゼロとは言い切れないので、感染症の検査では、単一の検査で100%正しく判定できるとは考えずに体調管理などに注意を払うことが大切です」

 新型コロナに限らず、他の感染症についてもいえることだという。例えば、季節性インフルエンザでも、鼻の奥の粘膜から採取した検体を利用した簡易検査が一般的だが、同様の注意が必要だ。

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