ビジネス

リモート勤務終了でストレス増 「今」がむしろ辛い人たちも

ラッシュアワーの混雑も戻りつつある。帰宅時間の品川駅(AFP=時事)

ラッシュアワーの混雑も戻りつつある。帰宅時間の品川駅(AFP=時事)

 アフターコロナ、ウイズコロナなど言い方は微妙に異なるが、緊急事態宣言を伴った新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大が過ぎ、コロナウイルスが身近にある前提を持ちながら学校や仕事などがコロナ前に戻されている人も多いだろう。リモートワークが終了し、職場へ出勤する生活へ戻ったことがかえってストレスになって辛いと訴える人たちの苦しみを、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
 新型コロナウイルスの新規感染者数が首都圏では今なお高い水準ではあるが、多くの人々たちが、会社に出社したり学校へ登校したりという「日常」に戻りつつある。手洗いや3密を防ぐ行動など、以前とは違った部分もあるものの、かつて普通だった「日常」を取り戻して過ごす人が多い中、そうではない人たちの悲鳴も聞こえ始めている。

「一気に肌荒れが酷くなりました。在宅勤務中は、化粧はおろかリップも塗りませんでした。あとは会社に行かなくて良いというストレスからの解放もあり、肌のコンディションはかつてないほどよかったんです」

 東京都内の人材派遣会社勤務・森戸ななえさん(仮名・30代)は、4月の中旬から6月の上旬までの約2ヶ月間、在宅勤務を命じられた。当初は戸惑ったものの、出社の2時間半前に起床、食事をとり、髪をまとめて化粧をし、満員電車で通勤する煩わしさがないことに感激した。

「会社に行くために、準備や帰宅後の色々で1日のうち5時間が必要だったんです。これだけでも大変なストレス。在宅勤務の継続を訴えましたが、上司が許さなかった。以前通りの生活のはずなのに、今の方が辛い。肌は荒れ、顔には吹き出物も……。マスクで擦れて泣きそうなくらいに痛い……」(森戸さん)

 以前と同じ生活のはずなのに、なぜか以前よりも辛い……。そう感じるのは森戸さんだけではない。

「リモート勤務で太るかなあ、タバコも増えるかなあと思ったら実際は真逆。通勤の時間が減って朝ジョギングする時間もできたし、外食やコンビニ飯オンリーだったのが自炊になりました。あんまりイライラしなくなって、タバコは半分以上減ったんです」

 埼玉県内の通信会社勤務・大江信彦さん(仮名・40代)は、中間管理職。数十人の部下も在宅勤務に入るため、統制が取れないのではないかという不安もあったが、実際にやってみると、以前よりもグンと効率が上がったという。

「勤怠管理、仕事の進捗状況を全てチャットで行うのは初の試みでした。デジタルに弱いと思い込んでいた私でしたが、やってみるとこれが本当に便利で、部下からも好評でした。今までは、部下の顔が見えてなければいけないとか、コミュニケーションが大事だとか言って、こうしたシステムに頼るのは避けてきました。でも、コミュニケーションが必要なのは、仕事のため。その仕事がスムーズに進んでいるのなら、改めて対面のコミュニケーションを取る必要もないし、それでも仕事のために必要なことが新たに発生したら、また考えれば良いだけ」(大江さん)

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン