もしクリーンアップを打っていたら、マークが厳しくなるし、打たなければならないという重圧から外角の変化球を追いかける癖は治らず、数字は伸びなかったでしょう。野村監督は1993年も、外国人のハドラーに主に8番を打たせ、3割をマークさせています」
ミューレンは中軸なら打率の低さを指摘されるが、主に7番、8番で29本、80打点なら文句なしの成績。この2部門では、古田や池山を上回り、オマリーに次いでチーム2位。同年巨人の4番だった落合博満よりも上で、松井秀喜と打点は同じ、ホームランは7本も多かった。また、打順別のホームラン数を見ると、5番・2本、6番・9本、7番・8本、8番・10本と“恐怖の8番打者”にふさわしい数字が残っている。
監督の起用法次第で、潜在能力の高い外国人選手は生き返ることもある。野村監督の教え子である矢野燿大監督は、チームの鍵を握るサンズをどう扱っていくか。