国際情報

ソウル市長だけじゃない 韓国要人「自殺」が相次ぐ背景

政府周辺の疑惑や重大事件が起きるたびに自殺者が出ている(EPA=時事)

 失踪していた朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が、7月10日未明、ソウル市内の山中で遺体となって発見され、韓国社会は騒然となっている。死因は明らかにされていないが自殺とみられ、失踪直前、元秘書の女性が市長によるセクハラを警察に告訴したことが理由ではないか、と推測されている。

 朴氏は人権派弁護士の出身で、2011年から3期連続でソウル市長を務めてきた。2017年の共に民主党の大統領候補予備選では現大統領の文在寅(ムン・ジェイン)氏に敗れたが、2022年の次期大統領選の有力候補と期待されていた人物だ。

 フェミニストを自称し、2000年12月に日本の女性団体バウネット・ジャパン(現バウラック)やアジアのNPOが共同開催した民衆法廷「女性国際戦犯法廷」では、韓国代表の検事として昭和天皇を慰安婦の強制連行や虐待の罪で起訴する役を担当している。韓国で「セクハラは違法」という認識を広めたとされ、こうした人物が自らのセクハラを告発され、その後、命を絶ったというのは皮肉であり、痛ましくもある。

 朝日新聞の元韓国特派員で、韓国事情に詳しいジャーナリストの前川惠司氏は、朴氏についてこう語る。

「彼をよく知る人に聞くと、『いかにもソウル大出身者らしい人』との評でした。エリートでプライドが高いが、無茶のできない人ということ。韓国ではこのところ、安熙正(アン・ヒジョン)前忠清南道知事や呉巨敦(オ・ゴドン)前釜山市長など、与党系首長のセクハラ事件が相次いでいて、彼らは自殺するどころか開き直っているが、朴氏にはそれができなかった。セクハラを撲滅する活動をしてきた人なのに、自身がセクハラで告発されたことに耐えられなかったのでしょう」

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン