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「落語をネットで鑑賞」をメジャー化させた春風亭一之輔の功績

春風亭一之輔が「器の大きさ」を見せつけた(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接してきた。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、落語のネット観覧をメジャー化した春風亭一之輔の二度の「十日間連続配信」についてお届けする。

 * * *
 5月25日に緊急事態宣言が全面解除されたことを受け、新宿末廣亭と浅草演芸ホールは6月1日から入場制限を設けて営業再開に踏み切ったが、上野鈴本演芸場と池袋演芸場は6月末まで休業を続行。6月2日に「東京アラート」が発令されたこともあって都内では「密」な環境での落語会の開催は難しく、結局6月も「オンライン生配信」が落語ファンの心のよりどころとなった。

 この「落語をネットで観覧する」という行為をメジャー化したのが春風亭一之輔の二度の「十日間連続配信」である。彼は鈴本で夜のトリだったはずの4月下旬と浅草で夜のトリだったはずの5月下旬、本来の高座に上がるべき時間帯にユーチューブで生配信を行ない、僕はすべて観覧した。演目は次のとおり。

〈4月〉
21日『団子屋政談』
22日『粗忽の釘』
23日『百川』
24日『千早ふる』
25日『青菜』
26日『らくだ』
27日『笠碁』
28日『鰻の幇間』
29日『お見立て』
30日『花見の仇討』

〈5月〉
21日『あくび指南』
22日『天狗裁き』
23日『猫の災難』
24日『短命』
25日『蛙茶番』
26日『夢見の八兵衛』
27日『普段の袴』
28日『意地くらべ』
29日『加賀の千代』
30日『明烏』

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