ビジネス

最後の夏を迎えるとしまえん 残される西武豊島線の今後は?

練馬駅─豊島園駅は約1キロメートルの単線区間ながら、高頻度で電車が走っている

練馬駅─豊島園駅は約1キロメートルの単線区間ながら、高頻度で電車が走っている

 部分開園から94年、約1世紀の歴史を積み重ねた東京23区の北西部、練馬区にある「としまえん」は2020年8月31日で閉園する。大きな施設が閉鎖になると、人の流れが変わるために公共交通機関の運行状況が変わることがある。最寄りの豊島園駅には、わずか1.0キロの路線「西武豊島線」が走っている。としまえん閉園で西武豊島線の今後はどうなるのか、ライターの小川裕夫氏がレポートする。

 * * *
 今年6月、としまえんが閉園を発表した。東京・練馬区にあるとしまえんは、1926年に開園。都心から近いレジャースポットとして、長らく東京都民や埼玉県民に親しまれてきた。

 今般、千葉県浦安市の東京ディズニーリゾートや大阪府大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大型テーマパークが人気を博し、従来の遊園地は苦戦が続いていた。

 100年近い歴史を有する老舗遊園地も例外ではなく、そうした遊園地がまたひとつ消える。ネットをはじめとして、としまえんの閉園を惜しむ声はあちこちから聞こえてくる。

 としまえんは、2011年の東日本大震災を機に閉園が検討された。そして、東京都が計画を進める防災公園として園地の一部を再整備する方針が固まる。買収交渉は難航したが、このほど協議がまとまる。それが正式な閉園発表につながった。一部は防災公園に、残りは完全に決まったわけではないが、ハリー・ポッターのテーマパークになると報道されている。

 現在、としまえんは西武鉄道のグループ企業になっているが、開園当初の豊島園は実業家の藤田好三郎が個人で所有していた。もともと練馬城址で、そこを藤田が庭園として再整備した。再整備された広大な一画は、藤田の意向により豊島園として一般公開される。

 風光明媚な遊園地はたちまち評判になる。また、運動場・音楽堂・園芸施設・船型の乗り物で斜面を駆け下りて池に飛び込むウォーターシュートなどがあり、物珍しさも話題を呼ぶには十分だった。こうして、近隣から多くの行楽客を集める。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン