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2020.08.01 11:00  マネーポストWEB

年金受給申請フロー 「繰り上げ受給」なら受給開始前の手続き必須

年金の受給申請フローチャート(繰り上げ受給の場合)

 6月5日に「年金制度改正法」が公布され、年金受給の方法が変更された。なかでも目玉は、2022 年4月から適用される「繰り上げ」「繰り下げ」受給の制度改正だ。

年金の受給申請フローチャート(繰り下げ受給の場合)

 通常の65才より前倒しで年金をもらう繰り上げ受給は、早く年金が受け取れる代わりに毎月の受給額が減額される。ただし、これまでは1か月前倒しするごとに0.5%の減額率だったが、今回の改正で0.4%減と小さくなりお得になった。

 一方、「繰り下げ受給」は、65才から「10年間の繰り下げ」が可能になった。通常より後ろ倒しでもらう繰り下げ受給は、遅く受け取る分、1か月ごとに0.7%増額される。これまで後ろ倒しにできるのは70才までだったが、今回の改正で上限が75才まで広がる。

 単純に金額だけで見れば、収入が高い人ほど繰り下げ受給の恩恵は大きく受けられ、低い人ほど繰り上げ受給のダメージは少なく済む。選択肢はさまざま。自分たちの老後のプランを考えた上で、それに合う受給パターンを選択してほしい。

 とはいえ、せっかく受給パターンを考えても、その通りに年金が受け取れないと意味がない。受給申請の方法をマスターしなくてはならない。申請手続きの流れを見ていこう。

 65才で年金を受給する場合は、誕生日の3か月前に日本年金機構から「年金請求書」が送られる。それを年金事務所に郵送するか窓口に持参すると、次の支給日から年金が振り込まれる。

 しかし、「繰り上げ受給」の場合、請求書が届くのを待っていては間に合わない。「年金博士」ことブレイン社会保険労務士法人の北村庄吾さんが解説する。

「自分で年金事務所の窓口で『繰上げ請求書』を受け取るか、年金機構のホームページでダウンロードする必要がある。受給開始を希望する前月までに手続きを行いましょう」(北村さん、以下同)

 その際、事前に「ねんきんネット」や年金事務所で、受け取れる年金額をチェックしておこう。受給開始のタイミングが決まったら必要事項を記入した「繰上げ請求書」と年金手帳などの必要書類を年金事務所に郵送するか窓口に持参する。

「受給開始は請求書が受理された翌月から。必要書類の準備を含め、3か月程度の余裕を持って進めてほしい」

 一方、「繰り下げ」の場合、65才時点で送られてくる「年金請求書」を送り返さないことがポイントだ。

「何も考えないで送り返してしまうと、その時点で受給が開始されてしまうので、繰り下げできなくなる。一度受け取ると繰り下げ受給は選択できなくなるので要注意です」

 繰り上げ同様、受け取れる金額をチェックし、受給開始のタイミングを決めておこう。受給開始を希望する前月までに「繰下げ請求書」を年金事務所の窓口に取りに行くか、年金機構のホームページでダウンロードして記入する。年金事務所に郵送するか窓口に届ければ手続き完了だ。

「繰り下げは“予約”ができないので注意が必要です。受け取りたいタイミングで手続きするしかない。年齢を重ねると認知症になって申請を忘れたりするリスクもあるので、前もって家族や信頼できる知人などに受け取り方を周知させておきましょう」

 老後の生き方は、夫婦によっても、収入によっても、まったく違う。絶対の正解はないだろう。ただ、安易に「普通にもらおう」と考えるのでは、大きく損をする可能性もある。いま一度、自分の将来を考えてみてはどうだろうか。

※女性セブン2020年7月30日・8月6日号

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