国内

50代まとめサイト管理人「食ってくためには何だってやる」

「炎上はビジネス」とまとめサイト管理人(写真はイメージ)

「ネットは悪人にやさしい」とまとめサイト管理人(写真はイメージ)

 ネット検索することを大手検索エンジンGoogleの名前から「ググる」といい、一昔前は、ググるとすぐ目的の情報にたどり着けた。ところが、最近は何を調べても、トレンドブログやまとめサイトと呼ばれる真偽のほどが怪しいものばかりが検索上位を占めるので、目的の情報にたどり着くのに時間やコツが必要となった。俳人で著作家の日野百草氏が、今回は、炎上の自作自演までしてビジネスにいそしむ、50代のまとめサイト管理人についてレポートする。

 * * *
「誹謗中傷で食ってる俺から言わせてもらうと、この程度で死ぬほうが悪いんですよ」

 練馬のファミリー向けマンション、小島高也さん(50代・仮名)は歯に衣着せぬ物言いで、私にベラベラと持論をまくし立てる。幸せそうな家族ばかりが出入りするマンションにアングラ系プロダクションがあるとは誰も思うまい。中小出版社、零細編プロの連中というのは本当にヤバい人材のオンパレードだが、オタク界隈のショップや通販屋、グッズ関係の元社員というのも信じられない人間の宝庫だ。とくに二次元、三次元問わずアダルト関係。私もこの辺のコネクションはツテをたどるのに大変重宝している。小島さんもその一人だ。

「ネットの本質ってね、食うか食われるか、殺すか殺されるかだと思ってます。人とつながる優しい世界とか、そんなの信じてる時点で向いてない。優しい世界ですけど、俺みたいな悪人に優しい世界なんです」

 悪人と自負する小島さんはこのマンションの一室を事務所にして、いわゆる「まとめサイト」を運営している。まとめサイトとは便宜上の呼び方で明確な定義はないが、小島さんのまとめサイトは匿名掲示板やSNSを恣意的にまとめて報道機関のニュースのように装ったり、アニメやゲームなどの放送や発売があるたびあたかもニュースのように仕立て上げる。もちろん取材対象やコンテンツ元の許可など一切とらず、自分のやりたい放題に記事を作り、検索結果の上位を狙ったSEO対策を繰り返しながらひたすらネットの海に垂れ流している。訴えられたことはもちろん、警察のやっかいになったこともあるそうだ。その辺を武勇伝のように語っていたが、本当のところはどうだろうか。

「事件とか事故もアクセスは伸びますけど、やっぱり芸能とオタクが強いですね。とくにスキャンダル」

 と、偉そうに記者然と語るが、小島さんの記事は全部パクリの泥棒だ(はっきり言わせてもらう)。小島さんはオタク系ネットサイトのスタッフや同人ショップの通販サイトなどアキバ系の仕事を転々とした後に開業した。一応、肩書は代表取締役。一人社長だが会社を経営していて、執筆の一部は小島さんが「100円ライター」と呼ぶお小遣い稼ぎ程度の素人に書かせるそうだ。1文字1円にも満たない、そんな金額でそんな文章を誰が書きたいのかと思うが、それを仲介するクラウドソーシングサービスもあり、このコロナ禍もあって二束三文でも書きたい素人は見つかるという。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン