ただ、2月1~3日に5回も試験を受けなくてはいけない子供も出てくるので、身体的・精神的な負担は大きい。さらに、同じ日に2校の試験を受けるので、移動にかかる時間など“地理的要因”も含めて併願パターンを考えなくてはならないのだという。
「たとえば男子御三家の麻布(東京・港区)を2月1日午前に受験する生徒は、同日午後の広尾学園(東京・港区)の第2回試験が受けやすい。両校は徒歩で10分ほどの距離ですから。同じ御三家でも、開成(東京・荒川区)が第1志望であれば、JR山手線で西日暮里駅から大塚駅まで移動するだけの巣鴨(東京・豊島区)の算数選抜の入試が2月1日午後にあるので、併願先の有力な選択肢になる。女子も2月1日午前に東洋英和(東京・港区)を受けて、午後は近くにある東京女学館(東京・渋谷区)の第2回試験を受けるといった併願戦略の生徒は多いですね」(同前)
もちろん、理念や校風などが志望校を決める大きな要因であるのは変わりないが、同じ日に2つ試験を受けるために「立地」という要素が絡んでくるわけだ。そうした併願戦略を複数パターン用意する上で、親の負担も決して少なくない。