地上波では到底流せない
前出の野呂氏はネットフリックスの最大の強みは「オリジナル作品」にあると強調する。
「アダルト界の鬼才・村西とおる監督の半生を描いた『全裸監督』(主演・山田孝之)は世界的に高い評価を受けました。実際の監禁・殺人事件を元にしたドラマ『愛なき森で叫べ』(主演・椎名桔平)も話題を呼んだ。いずれも地上波では到底流せない過激なシーンのオンパレード。表現の許容範囲がテレビとはまったく違います」
海外作品では、オリジナル映画『アイリッシュマン』が世界中で大ヒットした。
「マーティン・スコセッシが監督を務め、ロバート・デニーロとアル・パチーノが共演するという、映画ファン垂涎のキャスティングです。あの『ゴッドファーザー』の“親子役”がそろい踏みしたわけですからね。スカーレット・ヨハンソンが主演し、離婚をめぐる夫婦の苦悩を描いた『マリッジ・ストーリー』もよかった。いずれも2019年の作品で、米アカデミー賞の作品賞候補にノミネートされています」(野呂氏)
制作費も潤沢で、『アイリッシュマン』は1億5000万ドル(150億円)以上と言われている。
「世界で1億9300万人もの有料会員を誇るネットフリックスだからこそ、莫大な予算をかけられる。『全裸監督』も1話1億円と報じられており、現在シーズン2が撮影中です」(同前)
オリジナルのドキュメンタリーも秀作揃いだ。