芸能

『太陽にほえろ!』秘話 台本持ち込めるのは裕次郎さんだけ

身体を張って“スニーカー刑事”を演じた山下真司

 伝説の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』。そこに出演していた俳優は、どんな思いで刑事たちを演じていたのか? 若手刑事・スニーカー(五代潤)として登場し、あだ名の通りドラマを全力疾走した山下真司が、秘話を明かす。

 * * *
 ぼくにとって『太陽にほえろ!』は、役者としてスタートを切った初めてのドラマ。役柄同様、本当に“新人”だったんです。当時はファッションモデルだったので、役者としての知識や下積みがないまま最前線に立つことになり、そのプレッシャーに毎日打ちのめされていました。

 なにせ周りは大スターやベテラン俳優揃い、番組は高視聴率。それに当時は撮り直しがきかないフィルム撮影だったのでNGは許されない。そのうえ台本を現場に持ち込めるのは石原裕次郎さんだけという暗黙のルールがあったので、せりふは事前に完璧に暗記するのが当たり前でした。

 前日にしっかり用意をしておきたいところですが、撮影が終わるのは午前様のことが多く、ロケ先では夜中の3時近くまでスタッフと飲み明かすのが通例でした。二日酔いのまま朝は6時に起きて8時には撮影現場に行くというスケジュールを2年間、ほぼ毎日こなしたおかげで、数ページにわたる長いせりふや過密スケジュールなども、苦に感じなくなりましたね。この作品で鍛えられたおかげだと思っています。

 アクションシーンも過酷でした。幅50cm程度しかない荒川の防波堤の上を走ったり、ビルの間を飛び渡ったり、走っている車から車へと飛び乗ったり…。大変でしたけど、犯人の車を追いかけて激突するようなカーアクションは楽しかった。

 そんな現場だったので、最初の1年はずっと緊張で肩が凝っていました。退職という形で卒業することになったときは、さびしさとともに、プレッシャーからの解放感もありました。この作品が、ぼくの俳優人生の基盤となったのは確かですね。

※女性セブン2020年9月17日号

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン