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2020.09.16 07:00  マネーポストWEB

早生まれは損する? 遅生まれに比べて年収が4%低いという報告も

早生まれが子供の学力や将来の年収にどう影響するか(イメージ)

 日本で最も多い誕生日は4月2日だといわれる。学年でいちばんの「遅生まれ」になるため、昔は、3月末に生まれた子供の誕生日を4月2日に変えることもあったという。その数日の些細な差が、学歴、収入、人間関係に大きな影響を与えるという驚きの研究結果が報告された──。

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 昔から「早生まれは不利だ」といわれてきた。7月、東京大学大学院教授の山口慎太郎さんは、それを統計的に証明する新たな論文を発表。インターネットを中心に大きな話題となった。

 日本では一般的に1~3月生まれ(上の学年に入る4月1日生まれも含む)を「早生まれ」と呼び、4~12月生まれを「遅生まれ」と呼ぶ。同学年でも、3月生まれと4月生まれでは1年近い成長差があるため、4月生まれは体格に優れ、集団の中でリーダーシップを発揮しやすいのに対し、3月生まれは何事にも遅れがちになるといわれる。

 とはいえ、早生まれが不利なのはせいぜい小学校低学年までで、成長とともに差はなくなる──そうもいわれがちだったが、実際はどうなのか。3月18日生まれの中村沙織さん(仮名・31才)は、小学校時代から続く人間関係に、いまでも悩んでいると明かす。

「クラスでいちばん体が小さく、性格も子供っぽかったため、子供のときは4月生まれの友達にいつもマウントを取られてバカにされていました。大人になってからも関係が変わらなくて、一緒にお酒を飲むと上から目線で説教されることもあります(笑い)。昔から、同級生とのつきあいがいちばん苦手です」

 幼なじみとの関係は幼少期のまま続いていくことが多いので、大人になってからも早生まれは「下」に見られやすくなるのだ。山口さんの研究は、こうした早生まれの特徴が、中高生や社会人になってからも不利益に働くという衝撃の事実を明らかにした。

◆周囲の大人の振る舞いが「早生まれ」の不利を生む

「入学した高校の偏差値を比べると、3月生まれの子は4月生まれの子より4.5も低いことがわかりました。大学進学率が低いという研究報告もあります。大人になってもその差は解消されず、早生まれの人は30~34才のとき、早生まれ以外の同世代より所得が4%低いという研究報告も出ています」(山口さん・以下同)

 驚くことに、生まれ月の差は、成人後の収入差にまでつながっているというのだ。原因を分析するには「認知能力」と「非認知能力」のバランスに鍵があると山口さんは分析する。認知能力とは、IQテストや学力テストなどで測る「頭のよさ」を指し、一方の非認知能力とは、「最後までやり抜く力」や「自制心」「他人といい関係を築く力」など、社会性、情緒、内面の能力を指す。

「近年の研究で、社会的に成功する人は非認知能力が高いことがわかってきています。早生まれは遅生まれに比べ、幼少期の認知能力と非認知能力がともに低い傾向にありますが、親は学業の成績に目がいきやすいため、認知能力を上げるための教育投資に偏重する傾向があります」

 山口さんの調査によると、中学3年生の時点で、3月生まれの生徒は4月生まれに比べて週に0.3時間多く学校外で勉強し、読書時間も0.25時間多く、塾に通っている率も3.9%高かったという。一方、小4~中3を対象にした調査で、学年によって多少のバラつきはあるが、スポーツや外遊びに費やす時間が最大で週に0.52時間少なく、学校以外での美術、音楽、スポーツ活動に費やす時間が最大で0.19時間少なかった。

「子供は、スポーツや子供同士の他愛ない遊びなどから自制心や対人関係の築き方を学びます。学業への偏重が、非認知能力が育ちにくい環境をつくっている恐れがある」

 前出の中村さんのように、早生まれの子供は対人関係に苦手意識を持つことが多く、それは年を重ねるにつれ改善するどころか悪化するケースも珍しくないという。

※女性セブン2020年10月1日号

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