国内

菅首相の父は地元の名士 「叩き上げの苦労人」説の真相

菅首相は中学時代、野球部に所属(右)

 病に苦しむ安倍首相の無念を引き継ぐのは官房長官として長年政権を支えてきた菅義偉氏しかいない──そういう空気のなかで菅政権は誕生した。菅氏は総理になるにあたり、「叩き上げの苦労人」というイメージを巧みに利用してきた。

 だが、ノンフィクション作家の森功氏は著書『総理の影 菅義偉の正体』(小学館刊)で、その人物像に疑問を呈す。菅氏の父・和三郎氏は名産いちごの出荷組合長で、「(組合は)いちごだけで年三億円の売上があったほど」(菅氏の友人の由利昌司・元湯沢市議会議長)だった。

〈和三郎はいちご組合を率いるかたわら、雄勝町議会の選挙に出馬し、町会議員にもなる。地元の名士として、頼りにされる存在でもあった〉(同書より)

 暮らしも余裕があり、「(菅氏の)家は小学校のときから羨ましがられていた」(同前)という。

 また、菅氏は巷間、「集団就職で上京した」とされ、総裁選でもテレビなどで取り上げられてきたが、これについては本人から証言を得ている。

「農業を継ぐのも嫌でした。それで、ある意味、逃げるように(東京へ)出てきたのです」
「高校でちゃんと就職を紹介してもらってこっちへ出てきています。それが段ボール会社で、そこで働き始めたんです」

 中学卒業後にみんなで上京して、というイメージとはだいぶ異なる。しかし一方で菅氏は、「高校を卒業すると、東京に出る友だちもいっぱいいたし、それも集団就職」と明確な否定はしなかった。

 彼が演出するイメージはどれだけ本当なのか。

※週刊ポスト2020年10月2日号

ひな壇に立つ菅内閣の面々

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン