「土曜ワイド劇場」の作品として放送を開始した、ドラマ『相棒』(テレビ朝日系)。その後、連続ドラマをはじめ、劇場版やスピンオフなどでも愛され続け、今年20周年を迎える。
ドラマ『相棒』は2人の刑事がコンビを組んで活躍するバディものだ。ただし、単に事件を解決するだけではない。その時々の社会問題や警察組織の事情が加味され、物語に深みを与えている。
「“世の秩序を守るためなら正義と悪は曖昧でもやむを得ず”という考えが蔓延する組織内で、主人公の杉下右京は愚直なまでに正義を貫きます。彼はいわば、悪を成敗し、権力に立ち向かうヒーロー。右京と相棒が悩みながらも正義と真実を追い求めるさまが見る者を魅了し、愛される要因になっているのではないでしょうか」と、社会学者の太田省一さん(「」内、以下同)は言う。
また、最大の魅力は個性豊かな登場人物にもある。
「水谷豊さんが演じる警視庁特命係の警部・杉下右京は切れ者すぎるため、上層部に疎まれ、窓際に追いやられます。脚本の秀逸さはもちろんのこと、シャーロック・ホームズや刑事コロンボを彷彿とさせる個性的な主人公の活躍、そして、彼とコンビを組む相棒との関係性が、おもしろみになっています」
『相棒』の魅力について、読者からこんな声が寄せられた。
「展開や登場人物たちの関係性が随時刷新されるせいか、長寿番組でありながら飽きない」(64才・主婦)
「絶対に右京さんがなんとかしてくれる、という安心感を持って見ているのですが、相棒はもちろん、ほかの重要人物も殉職したり、異動したりして、“卒業”してしまうので、気が抜けないし見逃せない」(45才・主婦)