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『愛の不時着』の北朝鮮描写 実際はどうなのか専門家に聞く

『愛の不時着』のシーンは現実では…(写真/共同通信社)

 Netflixで配信されるや大人気となっている韓国ドラマ『愛の不時着』。配信開始からすでに7か月が経っているが、リピーターも含めて、その人気が衰えない。

 北朝鮮に不時着した韓国令嬢のユン・セリ(ソン・イェジン)と、彼女を救った北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)との恋を描く同作品。当然ながら、知られざる北朝鮮の実態が描かれることも多い。

 そこで、作品に登場した北朝鮮に関する描写について、北朝鮮事情に詳しい慶應義塾大学准教授の磯崎敦仁さんに、教えてもらった。

村人みんなで体操

『愛の不時着』を見ていると、「北朝鮮ってホントにそうなの?」と気になる場面がいくつもある。例えば、北朝鮮に不時着したセリが初めて目撃した村人たちは、韓国では見たことがない体操をしていた。あの体操は、実際に北朝鮮では広く行われているという。

「『律動体操』というもので、1990年代に金正恩国務委員会委員長の父親である金正日総書記(当時)の指示で開始されました。子供向け、大衆向けなどいくつかのバージョンがあります。ラジオ体操のようなもので、職場や地域ごとに行うように奨励されています」(磯崎さん・以下同)

抜き打ち検査はある!

 ジョンヒョクの自宅に匿われていたセリだが、ジョンヒョクと敵対する上官チョ・チョルガンの指示による夜中の「宿泊検閲」で見つかってしまう(2話)。こうした“抜き打ち検査”は本当にあるのか。

「実際に行われています。韓国製品の所有にターゲットを絞ったものではなく、例えば、すべての家に掲げられている金日成主席・金正日国防委員長の肖像がほこりをかぶっていないかなども重視されます。ドラマで描かれたのは韓国との軍事境界線付近にある開城という地域なので、抜き打ち検査はほかの地域よりも重点的に行われているのでは。ドラマでは最高指導者の肖像画を出さないなど、相当気を使っている様子がうかがえました」

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