ライフ

口腔を強化する「パタカラとおでこ体操」で家庭仲も順調に

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 高齢者が健康を保つために重要なのが口腔機能。口腔機能の衰えが死につながることも少なくない。そこで、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、口腔機能の衰え予防になるだけでなく、アンガーマネジメントにもつながるエクササイズを紹介する。

 * * *
 妻が「バカタレ、バカタレ、バカタレ……」と早口で怒鳴っている。これを見た夫は、ロダンの「考える人」のように頭を抱え込んでしまった。何だか熟年夫婦の危機のようだが、これもエクササイズである。

 オーラルフレイル(口腔機能の衰え)の予防として、有名なのはパタカラ体操だ。パ行は唇、タ行は舌、カ行はのどの筋肉、ラ行は口腔全体を強化する。「バカタレ」も同じ行が入っている。

「考える人」のようなポーズは、おでこ体操というもの。頭を前に傾ける力と、おでこを手で押す力を拮抗させて、のどや首の筋肉を鍛えようという体操だ。別に考えごとがなくても、やってみよう。

 オーラルフレイルになると、嚥下反射が鈍くなり、むせやすくなる。加山雄三は、運動した後、水をがぶ飲みしてむせ、血圧が上がり、小さな小脳出血を起こしたのではないかと推測されている。

 誤嚥がひどくなると、食べ物が気道側に落ち、誤嚥性肺炎の原因になる。口腔内が汚れたままだと、寝ている間に雑菌が気道から肺に入ることもある。歯周病と糖尿病も肺炎を招きやすいというから、注意したい。歌手のペギー葉山も俳優の山城新伍も、誤嚥性肺炎で亡くなっている。この誤嚥性肺炎を含めた肺炎は、日本人の死亡原因の第5位である。

 パタカラとおでこ体操はアンガーマネジメントとしてもおすすめ。夫婦で険悪な空気になったら、妻はパタカラ、パタカラと6秒ほど繰り返して、怒りをしずめよう。夫はおでこ体操で、反省のポーズをとれば、家の中は丸く収まるかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン