関西某市の風俗店経営・中島浩輔さん(仮名・50代)は、店で働く女性がさらに凄惨な「被害」にあったと訴える。
「ホストにはまり借金があった女性従業員がいて、うちで仕事をしながら借金の返済を続けていました。ある時、SNS上の闇金から金を借り返済に行き詰まると、ツイッター上に彼女の免許証の写真や実家住所、携帯電話番号、勤務先であるうちの情報や彼女の源氏名、そのHPの写真まで晒されました」(中島さん)
中島さんは女性と警察に相談に行ったが、やはり「顔の見えない相手」であることを理由に被害届は受理されなかったと話す。女性はその後、闇業者からアダルトビデオに出演するよう強要まで受けたというが、全てを断った。それらの情報は今もネット上に残されていて、怯える日々を送るしかないという。
相手が違法なヤミ金とはいえ「すぐ返すのだから大丈夫」という認識の甘さが、こうした悲劇を招く。その点については、被害者側にも非があるという他なく、そもそもそういった怪しい借入先を利用する方がおかしい……そんな「正論」を振りかざす人たちもいるだろう。しかしそれは「金を返さないからポルノをばら撒かれて当然」とSNS上で居直る、違法な金貸し業者の論理と同じ。そもそも違法に貸し付けているだけでなく、リベンジポルノのような悪質な嫌がらせという新たな罪を重ねており、困窮して判断力が弱った借主につけ込んで極限まで金だけでなく人生まで搾り取ろうとしている側に正当化できる理屈などあろうはずもない。
改めて知っておくべきは、相手は善意であなたに金を貸すつもりでも、事業として真っ当に金貸しをしている連中でもない、ということ。あなたを追い込み、全てを搾り取ろうと罠を張っているのだ。そして、思い通りに搾り取れないとなると、その憂さ晴らしにとんでもない迷惑行為をし、過剰な見せしめとして晒す。この事実を、しっかり肝に命じておきたい。