国内

コロナ禍の大学1年生「正直、大学の詳しい場所知らない」

緊急事態宣言の発令を受け、入学式やガイダンスは全国的に中止に(写真/時事通信社)

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が完全に解除されたのが5月25日。小中高では6月に対面授業が再開されたが、大学では後期になってもオンライン授業が主流だ。「大学生だけ始まらない日常」を、当人たちはどう考えているのか? 大学の構内に入ったこともないという新1年生たちに、いまのリアルな声を聞いた。

 9月中旬、北関東にある同じ高校出身の上京組3人が、Aさん(明治大学1年生)宅に集まった。アパートを解約し、実家に戻ることを決めたBさん(共立女子大学1年生)が、使わなかった新品のテレビをAさんに譲るためだ。そこに、友達がいまどこで何をしているかを知らせるアプリ『Zenly(ゼンリー)』で2人が一緒にいるのを知ったCさん(日本大学1年生)が合流。彼女たちは口々に、いまの心境を語った。

Cさん「入学式が中止になるって大学から連絡が来たのは、3月下旬。でもガイダンスはやるとか、説明会は行いますとか言われていたので、一応東京で待機してたんです。結局なくなりましたってなって一度は実家に戻って、6月下旬から3か月、東京でひとり暮らしをしています。

 私の大学は後期もオンライン授業だけだから、マジで一度も大学行けてない(笑い)。一応アパートは解約しない予定だけど、今後はどうしようか……って感じで」

Bさん「私は入学試験も別の場所で受けたから、正直、大学の詳しい場所知らないっていう(苦笑)。アパートにいたのは、テレビの回線をつなぐときの半日だけ。受験勉強をしてるときは“絶対にひとり暮らしをするぞ!”って思ってたし、それがモチベーションになっていたけど、いざ始まってみると、完全に裏切られた感じですよね。

 大学の友達っていってもオンライン授業でしかつながってないから『課題大変だよね』とか『声かわいいね』とか当たり障りのないことしか言わない(笑い)。もう夢も希望もないので、実家に戻ることにしました(苦笑)」

Cさん「同じ授業を受けている子のツイッターとかインスタグラムとか必死で追って、この子はこういう子なんだって知る感じだよね」

Aさん「そうそう(笑い)。サークルがないから、縦のつながりもできない」

Cさん「共通の趣味がある子と知り合いになれたらいいなって思うけど、オフラインで会って、コロナをうつされたら嫌だから、出かけられない」

Aさん「実はおととい、うちの大学で、入学後初のガイダンスがあって、同級生40人くらいに初めて対面してきたんだけど。そのあと女子8人でファミレスに行ってちょっと話して、また行こうねって盛り上がって。後期からは、こういう大学生らしいことが少しずつできるのかなっていう楽しみはある」

 将来のことを尋ねると、Aさんは公務員試験を視野に入れていること、Bさんは秘書検定と医療事務の資格取得を目指していることなどをテキパキと答えてくれたが、Cさんは少しの間考え、こう言った。

「他大学への編入もありかなとか、ちょっと頭によぎったりもするんですけど、まだ何も見えてなくて。というか、このまま2年生になって、新1年生をどう迎えていいのかわかんないです……」

※女性セブン2020年10月29日号

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
野球人・江夏豊が球界に伝えておくべきことを語り尽くす(撮影/太田真三)
【江夏豊インタビュー】若い才能のある選手のメジャー移籍は「大いに結構」「頑張ってこいよと後押ししたい」 もし大谷翔平と対戦するなら“こう抑える”
週刊ポスト
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
11月下旬に札幌ススキノにあるガールズバーで火災が発生(右はInstagramより)
【ススキノ・ガルバ爆発】「男は復縁の望みをまだ持っていた」火をつけた男は交際相手A子さんを巻き込んで死のうと…2匹の犬を失って凶行に
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン