ライフ

ランドセル、人気色の変遷 男子小学生の好みは「金」?

94年の百貨店売り場の様子。ピンクや白のランドセル登場も、依然赤と黒が主流(時事通信フォト)

94年の百貨店売り場の様子。ピンクや白のランドセル登場も、依然赤と黒が主流(時事通信フォト)

 黒や赤のランドセルを背負った新1年生が入学式へ向かう光景は、もはや昔の話。今日のランドセルは、実にカラフルだ。

 そもそも通学かばんとしてランドセルが誕生したのは1887年。伊藤博文が大正天皇の学習院入学のお祝いに献上した通学かばんが始まりといわれている。

 一般家庭には、戦後の復興期を乗り越え、徐々に国民が豊かになり始めた1960年代頃から普及。1964年の東京五輪で採用されたトイレのピクトグラムに象徴されるように、古来の男性が黒、女性が赤というカラー意識がランドセルにも定着したといわれる。

 長らく赤と黒のみだった色が変化したのは平成に入ってから。2001年に大手総合スーパーのイオンが24色展開を始めたのがきっかけとされる。この頃から、徐々に赤や黒以外のランドセルで登校する子どもが増え始めた。日本色彩研究所・シニアリサーチャーの名取和幸氏が語る。

「2009年、2011年、2014年に全国で調査を行なったところ、水色や薄紫といった色が女子小学生に人気ということがわかりました。こうした色の好みが、ランドセルにも反映していると思います」

 アニメーションの影響も大きい。主人公が女性であるばかりか、多彩な色をまとったヒロインたちが悪を倒していくという作品が増えたのも平成からだった。

 一方、男子小学生はどうか。名取氏の調査によれば、彼らが選んだのは金色。特に、小学2年生の男子は6割以上が「金色が好き」と答えている。さすがに金のランドセルを欲しがることはなさそうだが、これまでにない傾向に、名取氏も驚きを隠せなかったという。ちなみに、金色に次ぐのが、銀と青だった。

 色の好みが多様性を生んだ平成のランドセル事情。令和にはどのようなランドセルが生まれるだろうか。

※週刊ポスト2020年10月30日号

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
テレビの“朝の顔”だった(左から小倉智昭さん、みのもんた)
みのもんた「朝のライバル」小倉智昭さんへの思いを語る 「共演NGなんて思ったことない」「一度でいいから一緒に飲みたかった」
週刊ポスト
陛下と共に、三笠宮さまと百合子さまの俳句集を読まれた雅子さま。「お孫さんのことをお詠みになったのかしら、かわいらしい句ですね」と話された(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
【61才の誕生日の決意】皇后雅子さま、また1つ歳を重ねられて「これからも国民の皆様の幸せを祈りながら…」 陛下と微笑む姿
女性セブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン