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コロナ禍の「勝ち組企業」はなぜ北海道発祥ばかりなのか

「北海道現象」で業績伸ばす小売業

 だが、暗澹とした重苦しいムードの中でも業績を着実に伸ばしている会社が複数あった。食品スーパーのラルズ(現アークス)、ホームセンターのホーマック(現DCMホールディングス)、ドラッグストアのツルハ(現ツルハホールディングス)、家具のニトリ(現ニトリホールディングス)など、いずれも小売り・流通企業だ。本土進出やM&A(合併・買収)に果敢に打って出たことが奏功した。

ドラッグストア最大手のツルハ

ドラッグストア最大手のツルハ

 当時、メリルリンチ証券のトップアナリストだった鈴木孝之氏は、「北海道のようにもともと消費環境が厳しい地域では、不況になるとコスト競争力がモノをいう。ここで勝ち抜いた道内の小売業は全国に出て行っても勝てる可能性が高い」と分析。これを「北海道現象」と名付けた。

 あれから20年余り。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、小売り各社は市場縮小と再編の時代に突入したが、暴風雨が吹き荒れる最中、再び存在感を増しているのが前出の北海道発のチェーン企業なのだ。

 ニトリHDは巣ごもり需要の追い風を受け2020年3~8月期に過去最高益となった。ツルハHDは5月、JR九州ドラッグイレブンを子会社化したことで206店舗が新たにグループに加わり、国内2366店舗(9月15日時点)で最大手に躍り出た。DCMホーマックが中核のDCMHDは10月上旬、首都圏が地盤の島忠をTOB(株式公開買い付け)で完全子会社にすると発表した。

 ニトリHDの株式時価総額2.5兆円台は、ユニクロのファーストリテイリング、セブン&アイホールディングスに次いで小売業第3位。ツルハHDは11位、アインHDは28位、DCMHDは29位と、いずれも全国ブランドの大手小売業を尻目に上位を占める。

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