翌週は「松田聖子 田原俊彦」、翌々週は「田原俊彦 松田聖子」となっている。そして、このハガキが読まれた9月4日も、「田原俊彦 松田聖子」と並んでいた。これが、ファンの焼きもちを生んだ1つの理由だったのだ。テレビ欄を見ると、9月4日には「五木ひろし 八神純子」という横並びもあり、このペアは9月18日、10月2日にも名前が続けて掲載されている。しかし、五木ひろしと八神純子には恋の噂は出なかった。

 ファンに配慮したのか、翌週の9月11日から田原と聖子の名前は切り離された。しかし、『ザ・ベストテン』は違うカードを切ってきた。

〈00 ザ・ベストテン
松田聖子 郷ひろみ
田原俊彦 五木ひろし
ジューシィフルーツ
もんた&ブラザーズ
ロスインディオス
八神純子ほか〉

 郷ひろみを松田聖子の横に持って来たのだ。この並びを見れば、八神純子や五木ひろしを松田聖子の隣にすれば、当たり障りない人選になる。しかし、番組スタッフは田原ファンの反応にヒントを得て、テレビ欄の配置でも視聴者の気を引こうとしたのかもしれない。2人の並びは3週続いた。

『ザ・ベストテン』は番組終了直前に毎回、ソファーに座るスタジオ出演者の集合写真を撮っていた。俗に言う“ハイポーズ写真”(【3】に該当)である。これを調べてみると、8月14日、21日はたしかに田原俊彦と松田聖子が横に並んでいる。28日は、向かって真ん中やや右寄りから司会の黒柳徹子、田原俊彦、西城秀樹、松田聖子の順で座っていた。

 そして、先述の手紙が読まれた9月4日は左端に田原俊彦(右隣はロスインディオスのメンバー)、右端に松田聖子(左隣はもんたよしのり)という極端に離した配置になった。この週から、2人は隣に座らなくなった。

 物事の始まりは大々的に取り上げられるが、終わりがハッキリしない場合も頻繁に見受けられる。田原俊彦と松田聖子の“2人並んで写真を撮らない”“新聞のテレビ欄に2人の名前を並べない”という決まりは、いつ崩壊したのか。新聞のテレビ欄を辿ると、抗議のハガキから5か月後の翌年2月5日に解禁されている。

〈00 ザ・ベストテン
西田敏行 タモリ
竜鉄也 チャゲ&飛鳥
近藤真彦 ザ・ぼんち
松田聖子 田原俊彦
雅夢 西城秀樹〉

 その3か月後の5月7日には“ハイポーズ写真”で2人が並んでいる。田原と聖子の仲をファンが羨み、『グリコアーモンドチョコレート』のCMは1作で終わってしまったが、『ザ・ベストテン』の2人を並ばせないという規則は意外と早く消えていたのだ。

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