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犯罪収益を狙う強盗メンバーまでSNSで安易に募集される実態

強盗犯がやってきたマンション一階には交番があった(イメージ)

強盗犯がやってきたマンション一階には交番があった(イメージ)

 犯罪グループが人の犯罪収益を狙う、強盗をしかける、いわば「身内叩き」とも言える出来事は、珍しいことのように感じるかもしれないが、実はたびたび起きている。なぜニュースで見聞きしないのかといえば、被害者が蓄財していたことを警察に、税務署に、世間に知られたくないため声を上げないからだ。それを狙ったつもりが犯罪収益ではなかったり、被害者にこだわりがなかったために露見し、明るみに出る事件がある。そこから見える、身内叩きにも広がるSNSを利用した安易なアウトソーシングについて、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
 東京・目黒区の高級タワーマンションで発生した強盗事件。発生直後、民放の某ニュース番組を見ていたという映像制作会社勤務・高橋真司さん(仮名・40代)は目を疑った。

「強盗にあった被害者という若い女性がニュースに出ていたのですが、とても派手な見た目で、どうも見覚えがあった。名前はなく『被害者』と紹介されていましたが、間違いなく彼女だ!と」(高橋さん)

 高橋さんが驚いたのは無理もない。被害者女性は、かつて地上波テレビの深夜番組にもレギュラー出演もしていた人気セクシー女優だったのだ。事件を取材したテレビ局記者がいう。

「なぜ被害者が、しかも顔出しで取材に応じているのだと騒ぎになりましたが、セクシー女優だと聞いて、各社の記者は一瞬たじろぎました。昼の、しかもお堅いニュース番組に出してもいいのか、ということで…」(テレビ局記者)

 結局全ての社が彼女への取材を行い放送したが、社によって「セクシー女優」とか「被害にあった女性」など肩書きはバラバラだった。

 さて、前置きが長くなってしまったが、本題はここではない。実はこの被害者、2億円を超える所得隠しを東京国税局に指摘され、1億7000万円の追徴課税を支払っていたとニュースになった過去があるのだ。前出記者が続ける。

「彼女に脱税の過去があることも、取材するべきか迷ったポイントではありました。しかし、取材を進めていくうちに、その過去があったからこそ彼女が狙われた、という見立てが立ち、事件の本筋に関わることではないかということで、各社オンエアに踏み切ったのです」(テレビ局記者)

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