ヒットを受けて、翌年すぐに『金曜日の妻たちへII 男たちよ、元気かい?』(TBS系、1984年)が放送された。
夫も子供もいる佐野和子(高橋惠子・65)が、元交際相手の小山隼人(小西博之・61)と再会し、恋の炎を再び燃え上がらせていくというストーリーだ。
小山の妻・みどり役として岡江久美子、近隣住民の西村洋子役で篠ひろ子(72)が出演。篠はスナックで歌い始めるが、スナックのマスターと恋仲になってしまう。前出・森永氏は、このときの篠の印象が強烈だったと話す。
「とにかくキレイで見惚れてしまいました。それまで篠さんは歌手としてのイメージが強かったのですが、皆さんが思い浮かべるような“色っぽくて少し危ういイメージ”は、『金妻II』で確立されたと思います」
シリーズ最高視聴率を記録したのは、3作目の『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』(TBS系、1985年)。小林明子が歌う主題歌『恋におちて -Fall in love-』も大ヒットした。
ここでは篠ひろ子が古谷(秋山圭一郎役)の妻・彩子役。彩子の同級生だった岡田桐子(いしだあゆみ)が、友人を裏切り、圭一郎との不倫に走る。
“金妻ブーム”に乗るように、1980年代はまさに「不倫ドラマ時代」だった。
『くれない族の反乱』(TBS系、1984年)で、パート先の上司・佐伯亮一(田村正和・77)に惹かれていく人妻・中野和子を演じたのは、大原麗子。
横浜の山下公園を一緒に歩きながら、近づきそうでなかなか近づかない2人。夜になり、佐伯がようやくキスを求めると、和子は恥じらいながらあのぷっくりとした唇で佐伯のキスを受け入れる。夫に不満を抱きながらも、不倫をためらう大原の表情がなんとも愛らしかった。
『二度目のさよなら』(日テレ系、1985年)では、大物女優・山本陽子(78)が妖艶な濡れ場を演じた。14歳年下の青年(沖田浩之)と愛し合う人妻・島尾真弓役で、当時43歳とは思えない美肌を惜しげもなく晒し、大人の色気を見せつけた。