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2020.11.18 23:37  産経ニュース

自費PCR検査、法人利用も急増 かすむ感染実態

自費PCR検査、法人利用も急増 かすむ感染実態

 新型コロナウイルスの1日あたりの感染者数が18日、東京で493人となり過去最多を更新するなど、各地で感染拡大が続く中、明確な症状がなくても自費でPCR検査を実施するケースが増えている。当初は個人での利用が多かったが、経済活動の再開に伴い企業主導の利用が増加。ただ、医師の判断を介さない検査機関では陽性の疑いがあっても保健所に届け出る義務はなく、感染の実態把握に空白が生じる懸念も残っている。(荒船清太)

 「第2波、第3波など、感染拡大のニュースが増えるのに伴い、利用者が増える傾向にある」

 PCRの自費検査を手掛ける大森町駅前内科小児科クリニック(東京都大田区の)の柳沢亮院長はそう話す。

 同クリニックでは現在、毎日50件程度のPCR検査を実施しているが、そのうち約半数が自費だ。

 柳沢院長によると、自費検査を始めた当初の6~7月は漠然とした不安を抱える個人の利用者が多かったが、最近は企業主導の検査が主流という。

 特に多いのが海外出張・転勤などに伴う検査。新型コロナの陰性証明を渡航先が求めるからだ。社内で感染者が判明したときに保健所から濃厚接触者と認定されなかった社員の検査を依頼される例も目立つ。

 同クリニックの自費検査費用は2万8千円。他の医療機関の相場もおよそ1万~4万円で、医療関係者によると、検査用の人件費、検査委託費などが加味されている。

 人との面会に備えて受ける利用者もいる。埼玉県在住の70代男性は9月、都内での会食を前に数万円を支払ってPCR検査を受け、陰性の結果を得た。「人に感染させる確率が減らせてほっとした」と話す。

 医師のいるクリニックだけではない。ソフトバンクの子会社の新型コロナウイルス検査センター(港区)は医師による診察を省き、無症状感染者のスクリーニングに特化することで、1回2千円という低価格でスポーツ選手などの定期的な検査を実施している。

 ただ、自費検査では保健所への報告で温度差も生じている。新型コロナが発覚した場合、医師は保健所に届け出る義務を負うが、検査機関は負わないからだ。

 同センターでは陽性疑いが出た場合の対応方針がない法人・自治体への検査提供は断っているが、サイト上で対応を明確にしていない検査機関もある。

 厚生労働省は、陽性の疑いが判明した場合は医療機関に相談するよう利用者に促すことなどを検査機関に求める指針を作る方針だ。

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