「何より、西川さんは他己分析を尊重しています。自分の中で自分の魅力を決めつけるのではなく、周囲の意見を尊重して自分の魅力や武器となる才能を常に見つけていくことを現在も続けています。
一般的に、年齢を重ねていくほど、周りからの意見を聞き入れなくなってしまいがちです。しかし、西川さんはつねに素直で居続けている印象があります。何かに挑戦するとき、とにかく“自分は1年生”のスタンスを今も貫いているからこそ、多くの人から愛され、活躍し続けられるのだと思います」(阿部氏)
芸能事情に詳しいカメラマンでライターの名鹿祥史氏は、西川の「どのジャンルでも仕事をこなすことができる才能」を指摘する。
「ミュージシャンでありながらバラエティ番組に積極的に出演したり、映画・ドラマで役者としての新境地を開拓したり、西川さんは若い頃からとにかくサービス精神が旺盛でした。仕事のフィールドを選ばなかったのです。
しかもどのジャンルに進出してもうまくこなしてしまう器用さがあり、どこへ出てもしっかりと自分の立ち位置をキープできるだけの個性の強さも持っていました。無茶はするけど、意外と常識人。交友関係の広さから性格や人付き合いの良さも伺えます」(名鹿氏)
加えて、アイドルのような孤高の存在ではなく、一種の親しみやすさを醸し出していることも、ファンを魅了し続ける秘訣のようだ。
「女性ファンからは変に異性であることを意識し過ぎず、友達感覚で、また身内感覚で応援することができるのも魅力です。近年は事業家としての一面も評価されるようになり、 “ひょうきんさ”が愛された若き日と違い、地に足のついた大人の魅力まで漂わせるようになっています。
ファンも次は何をやってくれるのだろうという期待感を常に持って西川さんを応援することができたでしょうし、西川さんもその期待に応え続けてきたんです。ポジティブで、他者に対して変な壁も設けず、来るものを拒まず頑張ってきたことが、彼の成功に繋がり、これだけ長きに渡って芸能界で活躍できた理由だと思います」(名鹿氏)
若い頃に一時代を築いたミュージシャンは数多い。だが半世紀にわたる人生を前進し続け、ジャンルの垣根を超えてファンを魅了し続けてきた西川のような存在は、唯一無二と言えるのではないだろうか。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)
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