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2020.11.21 07:00  マネーポストWEB

ボーナスゼロ企業社員の悲鳴 国家公務員は「0.05か月減」と超微減

民間企業、公務員の冬のボーナスは?(霞が関の官庁街。右は国会議事堂。時事通信フォト)

 11月10日に全労連(全国労働組合総連合)が発表した中間集計では、今年の「冬のボーナス」は過去10年で最も低く、リーマンショックを下回る下げ幅になるという。新型コロナウイルスの影響を受けた今年の冬、誰もが知る有名企業のサラリーマンでさえかつてない“大寒波”に見舞われている。

【表】2020年「冬のボーナス支給がゼロの企業」「公務員におけるボーナス状況」「ボーナスを減額する企業」

〈冬期臨時手当の支給は行わないこととします〉
〈全員が一丸となって立ち向かっていきましょう〉

 これは社員約1万3000人を抱えるJTBの社内報で6月29日に発表された内容だ。同社の冬のボーナス全額カットは、少なくとも日本交通会社から現在のJTBになった1989年以降で初だという。40代社員がコロナ禍の業務状況を語る。

「緊急事態宣言が出た4~5月は全く出社がなく、その後も平日のうち2日は国から助成金対象となる休業でした。最近は出社の割合も増えてきましたが月5日の全社休業日があり、事実上の週休3日制が続いています。

 労組もボーナスゼロに当初は反発していましたが、今回は状況が状況。会社側はボーナスカットに加えて、人件費削減の方針も示していたので、ボーナスゼロについては妥結する方針に切り替わりました。今はGo To キャンペーンで個人旅行の成約数が回復してきたこともあって、社内は少しずつ前向きなムードが戻ってきた。ただ法人営業は相変わらず苦戦しています」

 航空業界では、ANAホールディングス、スカイマークなどが、冬のボーナス支給を見送る方針を発表している。

 観光業では、東京ディズニーリゾートの運営会社であるオリエンタルランドが約4000人の正社員と嘱託社員の冬のボーナスを当初計画より7割カット。

 同社は当初、労組側に全額カットを提示したが、7割減で妥結したと伝えられている。中でも苦境にあるのが数百人いるダンサーで、窓口業務に異動するなどして難局を凌いでいるという。

 スパリゾートハワイアンズグループを運営する常磐興産も5割カット。ワシントンホテルやホテル椿山荘を運営する藤田観光は、本誌取材に「ボーナス支給対象者全3139人に、冬のボーナス不支給を決定した」と苦渋の決断を明かした。

 インバウンド需要が蒸発したことで、百貨店も苦境が続いている。J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は、冬のボーナスを5割カットすることが決まった。

 出店企業にも影響が広がる。百貨店内に出店する大手アパレル勤務の20代女性はこう話す。

「客足は遠のいたまま。出店先のデパートがこんな状況ですから、会社からは『ボーナスは諦めて』と言われています」

 外食業界も、寒風にさらされている。夏に続き冬もボーナスゼロとなったラーメンチェーン幸楽苑の40代社員はこう嘆く。

「夏冬合わせて約150万円のボーナスがゼロに。住宅ローンのボーナス返済を組んでいるので、本気で転職を考えていますが、辛い企業は他にもある。受け入れるしかありませんでした」

 そんな中で“安泰”となったのが国家公務員。年間の下げ幅は「0.05か月」という超微減で済んでいる。

「公務員のボーナスは、人事院が民間企業の数字を基準に決めることになっていますが、この“微減”で民間の現状を反映できているのかは甚だ疑問です」(『経済界』編集局長の関慎夫氏)

※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号

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