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2020.11.21 19:00  マネーポストWEB

「なんで使わないの?」って聞かないで… Go Toハラスメントに悩む主婦の嘆息

お得だからといって、利用できる人ばかりではない(時事通信フォト)

「Go To使ったら、沖縄3泊4日が家族3人で実質4万円台だったの!」──そんな会話があちこちで聞かれるようになった。旅行に外食と、話題の「Go Toキャンペーン」だが、中には使いたくても使えない人もいる。そんなひとりである30代主婦に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

 * * *
「『Go Toまだ使ってないの? もったいなぁ〜い』とか、『すごく簡単なのになんで使わないの?』とか……。放っておいてほしいんですけど」

 ため息交じりにそう話すのは、都内在住の繊維メーカー勤務、磯田文子さん(仮名・34歳)。ママ友からの“Go Toハラスメント”に悩まされている、と話してくれた。

「Go To」キャンペーンは、そもそも新型コロナウイルスの流行によって落ち込んでいる観光や飲食店の経済を再興させることを目的とした政策である。ランチで500ポイント、ディナーで1000ポイントが還元される「Go Toイート」(主要予約サイトでは新規付与の予約受付は終了)や、旅行代金が実質半額(上限1泊2万円。地域共通クーポン還元分を含む)になる「Go Toトラベル」が大きな話題になっている。

 キャンペーンの割引が適用されるには、Go To事業と提携している飲食や旅行サイトなどを利用する必要がある(「トラベル」は旅行代理店窓口などでも利用可)。特に飲食店に関しては、様々な予約サイトがある中、行きたい店に合わせてサイトを使い分けなくてはならないという煩雑さも指摘されていた。

 磯田さんが「鬱陶しい」と言う相手は、子供を通わせている幼児教室のママ友たち。共働きの磯田夫妻は保育園に通う子供の将来を考え、毎週土曜日に1時間、能力開発を目的としたレッスンを受けさせているそうだ。「母子分離式」のレッスンのため、子供を待つ間、親同士で時間潰しを目的とした会話が始まるという。

「確かに魅力あるキャンペーンだとは思います。でも喜んで使えないというのが本音です」(磯田さん、以下同)

◆マウンティング合戦にもうんざり

 磯田さんの言う「喜んで使えない理由」とは、新型コロナウイルスのこと。まだ収束していないこともあり、不要不急の外出を控えているそうだ。磯田さんからすると、Go Toキャンペーンと銘打たれたものは全て不要不急だと思っており、乗り気になれないという。

「『来週は家族でGo Toしちゃうから、レッスンはお休み予定なの』や、『超高級旅館泊まっちゃった〜』という話は嫌なほど聞かされました。毎週マウンティング合戦なのでうんざりですよ」

 実は磯田さんには、Go Toキャンペーンを楽しめない理由が他にもある。それは夫の仕事のことだ。

「夫はアパレルメーカーで働いています。業界はコロナの影響を受けており、今年のボーナスはゼロに近い状態ではないかと心配しています。金銭的な余裕がないことも、Go Toキャンペーンを利用できない理由の一つなんです」

 30年ローンで購入したマイホームの返済計画もくるってしまったという。夫の事情を話す磯田さんの様子から、そうしたお金の心配をすることなくGo Toを楽しめているママ友が、少し羨ましく感じられているようだった。

 ママ友たちが何気なく話すGo Toトークを、もはや嫌がらせのように感じてしまう磯田さん。現在はママ友たちと少し距離を置くようにしたという。自分のいないところで噂話をされているかもしれないという恐怖はあるが、割り切って付き合っていくと語っていた。

 Go Toキャンペーンは、使う人にとっては魅力ある制度であり、何度も利用したくなる気持ちも良く分かる。しかし中には磯田さん夫妻のように、様々な事情から利用を自粛している・せざるを得ない人もいる。

 現在、新型コロナウイルス感染者数は世界中で増加傾向にあり、まだまだ油断はできない。そうした中で磯田さんのママ友たちのように、自分の価値観を押し付けたり、他人が羨むようなエピソードをひけらかしたりするのは控えたほうが良さそうだ。

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