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2020.11.22 07:00  マネーポストWEB

生前に家族共有しておきたい葬儀規模や遺影 先祖代々のお墓の判断も

トラブルを避けるためにも葬儀や墓に関しては事前に家族と共有を(イメージ)

 かつてのお年寄りは「葬式代くらいは残さなきゃ」とよく口にした。それくらい最期の儀式を気にかけ、大事にしていたわけだが、その価値観は少しずつ変わってきている。葬儀コンサルタントの吉川美津子さんが指摘する。

【表】遺影選び以外もある!「子供ができる葬儀・墓」の手続き

「20年ほど前から、葬儀費用の平均額は減少傾向にあります。近年は特に、小規模な家族葬を希望する人が増え、日本消費者協会によれば2017年の葬儀平均額は、195万7000円です。火葬だけで見送る『直葬』なら、費用は25万~30万円程度。以前から都市部を中心に選ばれていましたが、新型コロナの影響もあり、最近では比較的地縁を重視する地域にも波及しています」

 同じ地域内で複数の葬儀社を比較すると、葬儀費用の相場がつかめるはずだ。スタッフの応対やサービス内容などを重視して、夫婦で事前に選んでおくようにするといい。

 以前よりも簡素な葬儀が主流になりつつあるとはいえ、夫の親族や友人、職場関係など、誰を呼ぶかによって、葬儀の規模は変わる。夫を急に亡くした妻に最も多いのが「葬儀に誰を呼んだらいいのかわからない」という悩みだ。

「誰に声をかけるかがわかっていれば、葬儀場の規模感をつかむことができ、寒い中に参列者を待たせてしまったり、逆に寂しい式になったりすることを防げます。友人や仕事関係などの連絡先を夫に共有してもらい、葬儀に誰を呼んでほしいかを確認しましょう。これを怠ったことで、後で訃報を知った関係者が個別に訪れ、対応に追われて収拾がつかなくなったケースも少なくありません」(吉川さん・以下同)

 遺影に使う写真も、あらかじめ用意しておきたい。

「いまは多くの人が紙の写真ではなく、スマホやパソコンにデータ保存しています。パスワードが解除できなかったり、そもそもどこに保存しているかわからなかったりして困る人が少なくありません。まだ元気なうちに、遺影にする写真を決め、データのありかを共有しておきましょう」

 それに加えて、必ず言い残しておいてもらわないと困るのが、先祖代々伝わるお墓についてだ。

「“夫が亡くなって、いまあるお墓をどうするべきかわからない”という相談を受けることが非常に多いのです。たとえば、遠方の実家にお墓があるなら、その近くに住む親戚に引き継いでもらう、近場の墓地に改葬する、墓じまいしてお寺に守ってもらう、など、さまざまな選択肢がある。名義人である夫が生きているうちに判断してもらうべきです」

 夫の死後、やむを得ず妻が判断すると、場合によっては後から理不尽にも親戚の反発を招くこともありうる。また、地方の墓地は寺社の敷地ではない場所にあることも少なくない。そもそも菩提寺がどこなのか、お寺とどういった関係があり、どんなご供養をお願いしているのかなど、夫しか知らない情報は、互いがしっかり話し合えるうちに共有しておきたい。

 とはいえ、「あなたが死んだときのために教えて」とは、なかなか言い出しづらいのが当たり前。「縁起でもない」とへそを曲げて、とりつく島もなくなっては大変だ。そうならないためには、まず妻の方から「やってみせる」という手もある。

「“一緒にやりましょう”という雰囲気にもっていく。妻が“自分の終活を始める”というスタンスで誘うのです。たとえば“終活セミナーにつきあって”と頼むほか、“将来、あの土地はどうしよう”“私が認知症になったらどうする?”などと持ちかけて、きっかけをつくってみましょう。何気ない感じで“私も遺言書を書いておこうかしら”と言うのも有効。妻の終活を見て“おれも書こうかな”となる夫は少なくありません」

 まずは妻から行動すべし、というわけだ。

※女性セブン2020年11月26日号

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