下馬評通り福岡が州都になると、州としての発展は限定的になりそうだ。
「福岡から遠く離れた宮崎や鹿児島は都市インフラを強化しないと地域経済が衰退する可能性があります」(同前)
立命館大学特任教授(行政学・地方自治論)の村上弘氏が語る。
「道州制の目的は地方分権、地方の振興とされるが、州都は栄えてもそれ以外の府県が衰退し、かつそこで減った人口は実は州都だけでなく東京にも集中する。地域間格差が加速するシナリオを十分に考慮するべきです」
「上級自治体」と「下級自治体」の格差社会の到来は、日本を豊かにし、日本人を幸せにするのか。それとも──。
※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号