国内

市場関係者が恐怖の告白「豊洲のコロナ感染は止められない」

衛生的な市場環境がアダになったという指摘も

衛生的な市場環境がアダになったという指摘も

 東京の台所・豊洲市場のコロナ感染が不気味に広がっている。『週刊ポスト』(11月27日発売号)では、すでに140人もの感染者が出ているにもかかわらず、閉鎖や休業といった措置を取らず、「クラスターではない」と強調する東京都の姿勢に疑問を呈した。改めて豊洲市場の現状を取材した。

 * * *
 東京都は豊洲の感染拡大を、できるだけ小さな出来事に見せようとしているのではないか。小池百合子・知事も、「クラスターではない」と強調している。クラスターと認定されるのは、同一箇所で因果関係のある5人以上が感染したケースとされているが、東京都の説明では、同じ店の感染者は「最大でも4人」だからクラスターではないというのだ。

 いかにも苦しい説明だ。小規模な店舗が「密」にひしめき合う市場で、例えば隣同士の店舗で8人が感染したとして、「A店が4人、B店が4人だからクラスターではない」と言われて、「そうですか、それなら安全ですね」となるのだろうか。そもそも、小規模な店舗では従業員が4人以下というところも多いはずだ。

 元中央卸売市場次長で『築地と豊洲』の著者、澤章氏はこんな話を明かす。

「ある都議が市場当局に、どの店で感染者が出ているのか問い合わせたところ、『個人情報だから答えられない』と言われたそうです。病院や介護施設で集団感染が起きたケースは、すぐに詳細が公表されるのに、豊洲の場合はクラスターではない、個人情報だから公表しないというのは首を傾げざるを得ない」

 もちろん情報を広めたくないという気持ちは東京都だけではなく市場関係者全体に強い。市場内に出店する業者がこう話す。

「市場関係者にPCR検査をするっていうけど、自主的にというから応じない人もいますよ。もし陽性反応が出たら、その店は消毒したり休業したりして大変なことになりますから。仲卸さんたちは、東京都に施設の使用料を払っているんだけど、それだって最初は都から『家賃ではないから(コロナ対策の)家賃補助は出せない』なんて言われてたんです。今は出るようになったみたいだけど、検査して休業しても補償されないんじゃないかって疑心暗鬼もあるでしょう」

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン