SNSが子役で染まる現象は珍しいことではないけれど、ここ数年で変わってきたと思う特徴が「子役本人のアカウント」があることだ。今回の柚凪ちゃんをはじめ、『TWO WEEKS』(関西テレビ、フジテレビ系・2019年)で病気の子どもを演じていた稲垣来泉ちゃんや、放送中の『極主夫道』(日本テレビ系)に出演中の白鳥玉季ちゃんも、個人のアカウントで楽しそうな様子を流している。裏では大人が操作、調整をしているかもしれないけれど、演技以外で見る子どもの素顔はかわいい。SNSをチラ見しながら、本編の作品を見ているとさらに楽しくなってくる。これがひょっとすると母性というものだろうか……?
改めて、子役はドラマにとって大きな癒しであり、物語が面白くなるかどうかを握っているカギだ。たまに大人たちと噛み合っていない雰囲気の子役を映画やドラマで見ると、視聴する気が失せてしまうこともある。それに対して『朝顔』では、いつの間にかつぐみの登場するシーンが楽しみになっているのは私だけではないはず。
第2シーズンでは、秋と冬の長期間に渡って作品の放送が決定。まだまだ柚凪ちゃんの天才子役ぶりを眺めていられる時間が続きそうである。
【プロフィール】こばやし・ひさの/静岡県浜松市出身のエッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター。これまでに企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊以上。女性の意識改革をライトに提案したエッセイ『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)が好評発売中。