国立がん研究センターによる「部位別5年生存率」の調査。前立腺がんはステージIVの死者数が極めて少なく(全体の0.04%)、全症例の5年生存率が99.95%となったため四捨五入して100%としている

国立がん研究センターによる「部位別5年生存率」の調査。前立腺がんはステージIVの死者数が極めて少なく(全体の0.04%)、全症例の5年生存率が99.95%となったため四捨五入して100%としている

怖いのは「年齢」と「転移」

 こうした罹患年齢の上昇による死亡リスク増はほかのがんにも当てはまる。3つのステージで生存率が下がった胆のうがんは、発見が難しく進行も早い。

「もともと死亡率が高いがんで、特に高齢で罹患した場合はステージIIでも死亡リスクは高い」(前出・室井氏)

 また他臓器への転移が認められるステージIVでは多くのがんで生存率が下がった。

「女性に比べ男性の罹患者が2~3倍多い腎臓がんも高齢者に増えています。特に後期高齢者はがんが進行した状態で発覚すると積極的な治療ができないケースが多い」(同前)

“沈黙の臓器”と呼ばれる肝臓がんもステージIVの生存率が下落した。さらに、罹患年齢が上がることでこんなリスクもあるという。

「肝臓がんは一部を手術で切除しても再発しやすく身体的な負担が大きい。また患者の多くが『肝硬変』を併発しており、それが理由で亡くなっている人が多い」(前出・上氏)

※週刊ポスト2020年12月25日号

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