スポーツ

橋上秀樹氏 楽天時代に野村克也さんに貰った最高の褒め言葉

橋上秀樹氏はコーチとなってからも野村克也さん薫陶を受けた

橋上秀樹氏はコーチとなってからも野村克也さん薫陶を受けた

 故・野村克也さんが2006年、楽天イーグルスの監督に就任したとき、すでに70代だった。高齢であることに不安の声も出ていたが、田中将大や嶋基宏など若い才能を鍛え上げた。選手時代だけでなく、引退してコーチとなってからも野村さんの薫陶を受けた橋上秀樹氏が、楽天時代にコーチとして野村監督からもらったアドバイスを振り返る。

 * * *
 選手時代にかけられた言葉で印象深いのは「己を知れ」ですね。自分の役割をしっかりと認識した上で、目標を設定して練習に取り組みなさいという意味でした。

 バッティング練習をしている時に、野村監督から「何を目指して練習しているんだ」と聞かれて、即答できなかった。「お前が4番を打てるのか?」とまで言われた時は衝撃でした。

 プロ野球はそれまでエースで4番だった者たちの集まりですが、プロではそうは上手くいかない。だから、変化を求められるのです。

 野村監督は将棋に例えて、「飛車角ばかりいっぱいいてもダメ。それぞれの駒が役目を果たして、初めて敵の王将を追い詰めることができる」と言っていました。

 引退後、私も指導者の道を歩ませていただけたが、選手にはそれぞれ特徴があり、身体能力も違うから、自分がどんな役割を果たせるかを考えるように指導しています。

 楽天のヘッドコーチ時代は、チームが弱かったので常に怒られていた記憶しかありませんが、4年目に2位になった時、「このチームも特徴のある選手が増えて、ワシの言いたかったことが浸透してきた。底上げができたのかなあ」と言われた。

 監督の目指した方向に進んでいるというコーチに対する最高の褒め言葉だったんじゃないかと胸に刻んでいます。

【プロフィール】
橋上秀樹(はしがみ・ひでき)/1965年生まれ。ヤクルト、阪神で野村監督の下でプレー。2005年に楽天のコーチに招聘され、2007年からは野村楽天のヘッドコーチを務めた。

※週刊ポスト2021年1月1・8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン