新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて導入されたオンラインでの授業が今も続いている(イメージ、時事通信フォト)

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて導入されたオンラインでの授業が今も続いている(イメージ、時事通信フォト)

 学生からの不満が解消されないと、若干悪者になってしまった形のオンライン授業だが、もちろんメリットも多い。大学生たちに聞いたオンライン授業のメリットは、「通学時間が要らず効率的」「時間や場所に縛られない」「録画を見返して復習できる」というものが多かった。

 たとえば、「語学の授業にはオンライン型はとてもよかった。対面よりリラックスして話せた」という学生がいる。少人数グループでその言語でディスカッションする際も、Zoomのブレークアウトルーム機能(グループ分け機能)を使い、十分にディスカッションできたという。元々語学のオンラインレッスンは多く、オンラインと相性が良いのだ。

 オンラインを使うと、従来の教室で基本的なことを教わり自宅で応用や復習をするのとは逆の、事前に動画で予習を済ませた上で授業に臨み、講義ではディスカッションを行う、いわゆる反転授業もやりやすくなる。ある教員は、「反転授業で学びが定着しやすくなるのでは」と期待する。

 もちろんデメリットもある。多いのは、「コミュニケーションできない、またはしづらい」というものだ。1年生のようにそもそも同級生に会えない例だけでなく、「講義内容について質問しづらく、他の学生にも聞けなくて困った」「他の学生の意見も聞きたかった」という声は多い。「メールで質問しても回答がない」とか、「そもそも質問の機会がない」という声もあった。

 その他、「課題の量が多すぎる」「レポートにフィードバックがないので、自分が理解できているか心配」などの声もあった。「フィードバックがなくて双方向でのやり取りがないなら、放送大学で十分では」と不満を口にする大学生もいた。全体に学びの質が担保されていないとか、十分に学べたという実感が乏しい点で不満が目立ったようだ。

対面とオンラインのいいところ取りなるか

 オンライン授業が当たり前となってしばらく経ち、その至らぬところが洗い出されてきた結果、変化が出てきた。徐々にオンラインと対面を併用するハイブリット型が主流となってきているのだ。オンライン授業と対面授業の良いところをとり、もちろん感染症対策もするというのが主流となってきているのだ。

 オンラインと対面を混在させる授業方法として、多くの大学が取り組んでいるのがハイフレックス(HyFlex)型とブレンド型だ。ハイフレックス型授業とはHybrid-Flexibleの略であり、対面・オンラインから学生が好きな方を選べる方法だ。教室での授業を中継することにより、既往症があるなど感染を恐れて登校できない学生などでも受講可能となっている。ブレンド型は、講義部分はオンライン、演習や実技、アクティブラーニングなどは対面など、オンラインと対面を組み合わせるものだ。

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