84%の人が「今年は実家に帰省しない」──。これは、不動産会社「グルーブエージェント」が、都外に実家のある都内在住者1500人を対象に行ったアンケート結果だ。
例年であれば、帰省客などであふれかえる主要駅や空港も、ガラ空き状態。新型コロナウイルスの第3波が猛威を振るう中、多くの人が旅行を自粛した。
「今年は帰省先で義父母や親戚に気を使うことなく自宅でのんびりと過ごせる」という喜びの声がある一方で、「楽しみだった海外旅行に行けず不満」「老い先短い実の両親には会いたかった」と残念がる声も聞こえる。
さまざまな意見があるが、どこにも出かけず、家族以外との交流も減ることで、「静かな年末年始」を予想していた人が多かったはず。だが、そんな思惑とは裏腹に、帰省しなかったことでトラブルに見舞われた人もいたようだ。
多かったのが、夫とのトラブルだ。神奈川県に住む会社員の沢田さん(仮名・47才)はため息をつきながらこう漏らす。
「出かける予定がないなら大掃除くらい手伝って、と言うと態度が一変。『体が重くなってきた』『喉が痛いかも』などと言ってコロナ疑惑をアピールし始め、自室で自主隔離を始めたんです。本当に体調が悪いのかと心配して、PCR検査をすすめると、『しばらく寝てれば大丈夫』の一点張り。何日もベッドに寝ころんでスマホでゲームをしていました。
『休んだら治ったみたい』と言いながら部屋から出てきたときは、離婚の二文字が頭の中にちらつきましたね」
家事に協力的ないい夫かと思えば、真逆だったという人もいる。
「暇を持て余した夫が、買い出しについてきてくれたんです。荷物を運ぶのを手伝ってくれるのかな、なんて期待していたら、カゴに次々と商品を入れていく。値段が張る商品だったので棚に戻そうとすると、『コロナでどこにも行けないんだから、食べ物くらい好きにさせてくれ!』と怒鳴られて。冬のボーナスがカットされて、家計は火の車なのに……この人は、私の苦労を何もわかってないんだなとがっかりしました」(栃木県・38才・主婦)
夫が正月行事に張り切りすぎるのも困りものだ。
「毎年、わが家は家族そろって初詣に出かけるのが恒例。でも、今年は密になってしまい初詣には行けないから、家族全員でご来光を見るぞと夫が言い出したんです。極寒の中、裏山を懐中電灯を片手に30分もかけて登りましたよ……」(岡山県・56才・主婦)
年に一度の正月も、例年通りのほうがありがたいということのようだ。
※女性セブン2021年1月21日号