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2021.01.14 15:00  マネーポストWEB

会社の副業容認で意欲を見せる夫に先行きの暗さを感じる妻の嘆き

「副業容認」をどう捉えるか(イメージ。Getty Images)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、休業や廃業を余儀なくされる人は少なくない。仕事を続けられたとしても、給与減や勤務時間減など、待遇が悪化したケースもあるだろう。そんななか、スキマ時間などを活用する「副業」に注目が集まっている。とはいえ、「夫が副業を始めたことで余計に悩みが増えた」と語る30代主婦がいる。いったい何があったのか、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた

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「コロナで副業が話題になっていますが、私としては心配してしまいます……」。都内在住の専業主婦、巻田里穂さん(仮名・34歳)は、夫の会社の副業推進に不安を感じていることを話してくれた。夫(38歳)、もうすぐ1歳になる息子との3人暮らしである。

 新型コロナウイルスの影響で、自粛生活やリモートワークなどが当たり前になってきた。自宅で過ごす時間が増えたこともあり、副業にチャレンジする人も多くなっているといわれている。

 最近は本業と副業と分けるのではなく、どちらも本業というスタイルで取り組む「複業」という考え方も広がっている。今後はより一層、一つの会社に縛られるのではなく、一人一人が活躍できる働き方を選ぶ風潮が広がっていきそうだ。

「夫は自分の得意なことを副業にしたかったようです。それで始めたのがライティングの仕事でした」(巻田さん、以下同)

 巻田さんの夫は文学部出身。一時期は物書きを目指していた時期もあったそうだ。しかし夢は諦め就職し、現在は大手外食チェーンの社員として働いている。新型コロナ禍による業績不振が続き、昨年のボーナスは大幅にカットされたとのことだった。その影響もあってか、夫の会社では副業が認められるようになったという。

 巻田さんによると、夫はクラウドソーシング(不特定多数に業務を委託する仕組み・サービス)を利用して副業を見つけているとのこと。その仕事内容はすべて把握していないそうだが、あるテーマに基づき情報をまとめるネット記事や書籍レビューなどを中心に執筆していることを教えてくれた。

 ただ、帰宅するとすぐにパソコンで執筆活動を始めてしまうため、夫婦の会話は激減。「俺は仕事があるから」と、育児に協力してくれなくなったと巻田さんは嘆いていた。

「副業の収入は毎月2万円ほどだったんですが、ある日、大きな案件を獲得できたと喜んでいました」

 夫が副業を始めて半年が経過した頃、報酬の良い仕事が舞い込んできたという。全て完了させると7万円ほどの収入になるため、今まで以上に気合いが入っていたそうだ。

 寝る間を惜しんで夫は作業に集中。育児に向き合わない夫にはイライラしたものの、大きな額の収入があると思えば我慢できたと巻田さんは話す。しかし、事態は思わぬ方向へ進んでしまう……。

「夫がクライアントと原稿のクオリティのことで揉めたようです。再提出する旨を伝えたそうですが、『もう必要ありません』と言われてしまったみたいで……」

 何度も話し合ったそうだが平行線のまま。最終的にはこちらが何度連絡してもクライアント側がそれを無視し始めたという。困り果てた夫は、仲介しているクラウドソーシングサイトに今回の件を相談・報告。しかし、返ってきたのは解決に向けたアドバイスのみ。「問題は利用者同士で解決するように」と言われてしまったという。

 このトラブルをきっかけに夫はやる気をなくし、クラウドソーシングの利用をストップ。期待していた報酬を得ることはできなかったそうだ。しかし会社の業績不振もあるため、副業はせざるを得ない状況だという。現在、夫は文章術セミナーに通いスキルアップを目指しているそうだが、巻田さんは渋い顔をしていた。

「夫は将来的な収入アップを目指しているようですが、そもそも今お金が必要なのに、お金を払ってセミナーに通うなんて……。私の意見ですが、夫の会社に未来はないと思っています。ボーナス大幅カットで副業推進……、それって早く辞めて次に行くべきじゃないですかね?」

 本業以外に収入を得られるメリットがある副業だが、今回の巻田さんのケースのようなトラブルがつきものであることを理解しておく必要がある。自分自身の力で問題解決をすることも、個人として働く上で大切なことだ。会社側がどのような意図で副業を解禁したのか、一旦考えてみるのも良いかもしれない。

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