その後、楽屋を出て、廊下で感激していると、「誰か、裁縫できる人いてない?」と毛皮を持ったジュリーがつかつかと出てきました。どうやらプライベートの毛皮のコートの一部がほころんでいたみたいなんです。
私ともう1人の子が裁縫ができたので、「はい! やります」と言って、自分の持っていた裁縫道具(針と糸)でほころんだところを縫いました。その衣装のほかにもいくつか縫ってさしあげたことを覚えています。
それらをお渡しすると、また「おおきに」と言ってくれ、天にも昇るような気持ちになりました。
私たちファンはジュリーが健康でいてくれることがいちばんなんです。2018年にコンサートをドタキャンしたときも、まず、病気じゃなくてよかったと思いました。
私たちはジュリーが決めたことに従うだけ。あとは、あの歌声を長く聴かせてくれること。ジュリーは88才まで歌い続けたいと言っていますが、100才まで歌ってほしい。そこまで私も長生きをして、一生、ついていきますから。
【プロフィール】
國府田公子さん/ファン歴53年。広島県出身。1998年から私設ファンサイト「Julie’s World」を立ち上げ、その内容をまとめた『沢田研二大研究』(青弓社)を2019年に出版。不動産会社勤務。
取材・文/廉屋友美乃 写真提供/國府田公子さん
※女性セブン2021年1月28日号