総務省消防庁の発表によれば、病院への照会が4か所以上あったケースなど、搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事例」が、1月4日から10日の週は全国で2707件あり、約1か月前から倍増した。さらに、コロナ禍以前にあたる前年の同時期と比べ約9割増えたという。
「増加の一因として病院側が新型コロナ患者の対応に追われ、救急患者の医療に手が回らなくなっていることが考えられます。年始以降状況は悪化しています」(総務省消防庁救急企画室)
光太くんの搬送先が近くであれば、事態は変わっていたのだろうか。こうした見方がされる一方で、光太くんの父親は、
「搬送先がどう決まったかはわかりませんが、たらい回しにあったとは思っていません。病院や救急隊のかたがたは、そんな状況でも一生懸命に息子の命を救おうとしてくれた。悪いのはコロナでも病院でもなく、加害者なんです」
そう、やりきれない思いを明かすのである。
※女性セブン2021年2月4日号