朝はご飯とパンを交互に食べるのが夫婦のルーティーン

朝はご飯とパンを交互に食べるのが夫婦のルーティーン(写真はイメージ)

週末はホームパーティーを開く“料理上手な奥さま”だったが

 では、コロナになる前、二人はどんな生活を送っていたのか。

 そもそもは会社の同期として知り合って、30歳で結婚した。二人とも帰国子女で価値観が似ていたし、そろそろ安定した家庭を持ちたいと考えていた頃だった。夫の正弘さんは、新卒で入社した会社でキャリアアップを重ねる一方で、真理子さんは外資系企業への転職を繰り返し、現在5社目。

「仕事が好きなので、自分をより認めてくれる会社があるならいつでも移りたい。ただ、それができるのは、安定した企業に勤める夫がいるからだというのはわかっています。だから、夫が苦手な家事はできるだけ私がやらなくちゃ、という思いはあるんです」

 ただ、ここ数年は正弘さんの仕事が忙しく、平日の夜は、別々に食事をとることにしていた。真理子さんは家で食事をすることが多かったが、作るのは自分のぶんのみ。一方、正弘さんは会食や友人との飲みも多く、早く帰って来る日はスーパーで惣菜を買ってきたり、家にあるもので真理子さんが簡単に作る程度だった。

 そのぶん、週末は真理子さんが腕をふるう。料理好きの真理子さんは、家に友人を招いてホームパーティーを開くこともあった。正弘さんの同僚や後輩にも、“料理上手な奥さま”として人気だという。欧州生活が長かった正弘さんのために、真理子さんは、和・洋・中といった定番に加え、スペイン料理、ポルトガル料理もマスターした。真理子さんは凝った料理や、インスタで“映える”料理を作るのが好きなのだ。

 だがいま、毎日の3食すべてに、凝った料理を作る余裕はない。作り置きも必要になるが、真理子さんは、そういった地味な料理がそれほど好きではないことに気づいたという。

「料理を作るのも、学ぶのも、献立を考えるのも好きだし得意だと自負してきました。でも、“たまに”だから楽しかったんだと、コロナでよくわかりました。私は毎日やりたいわけじゃなかったんです」

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