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コラム

2021.01.30 11:00  8760 by postseven

【今週の読みたい本】林真理子さんの官能美に満ちた傑作長編『愉楽にて』など4冊

『愉楽にて』林真理子 新潮文庫 950円

まだまだステイホームが求められる今ですが、せっかくならその時間を読書にあてませんか? そこで今おすすめの本を紹介。新聞史上、最高のエロスと話題を呼んでいる林真理子さんの『愉楽にて』や、『無理』や『イン・ザ・プール』など数々の名作を送り出している奥田英明さんの新刊など全4作をピックアップ。

【目次】

【文庫本】『愉楽にて』林真理子
【単行本】『コロナと潜水服』奥田英朗
【単行本】『死ぬまでに行きたい海』岸本佐知子
【単行本】『1日1ページで身につく! 小学生なら知っておきたいもっと教養366』齋藤孝

◆【文庫本】『愉楽にて』林真理子

◆渡辺淳一(『失楽園』)の衣鉢を継ぐ愛とエロスの現代寓話

東京とシンガポールを往復して多彩な情事を愉しむ久坂隆之(数をこなすカサノヴァ・タイプ)。久坂の友人で亡妻の遺産を相続した田口靖彦(マザコンのドンファン・タイプ)。名家生まれの50代男の恋愛模様を同時並行で描く。

ギャンブルで墜落した製紙会社の御曹司・井川意高氏が解説を。セレブ界隈では著者の新作が出るたびにモデルは自分だと言い張る人間が出てくるとか。

◆【単行本】『コロナと潜水服』奥田英朗

◆どこか甘酸っぱい奥田式ファンタジー。1980年代の洋楽もいいアクセントに

ハートウオーミングなゴーストもの。表題作はこう。

コロナ禍でテレワーク中の康彦は5才の海彦の不思議な能力に気づく。ジイジとバアバはコロナ感染を免れ、康彦自身は海彦が固まったことで自分の感染を知る。妻に浮気された小説家が男児のゴーストに助けられる「海の家」など5篇。死者の霊がナビするドライブ「パンダに乗って」は、私見ながら名品の殿堂入り決定。

◆【単行本】『死ぬまでに行きたい海』岸本佐知子

◆超出不精さんが炎天下を歩く、“私のカケラ”を探す旅

懐かしい場所を訪ね(あるいは回想し)、記憶の底に沈んでいた何かが舞い上がるさまを掬い取る。家族で暮らした世田谷、中・高・大学と10年間通った四谷や麹町界隈、表札が岸本だらけの父のふる里・丹波篠山。妙に人面臭い表紙の猫は、会社員時代に行った上海の思い出の品。

風変わりな小説の翻訳&目利きで知られる人のエッセイは、時に現実が溶ける奇想で読者を魅了する。

◆【単行本】『1日1ページで身につく! 小学生なら知っておきたいもっと教養366』齋藤孝

◆知識をモノにした子供達にクイズを出されたら、大人はギャフンかも

小学生に教養なんて難し過ぎるのでは、というのは杞憂。まえがきにある。教養とは「つなげる力」。

第1弾のベストセラー『小学生なら知っておきたい教養366』で得た知識がこの第2弾で繁茂する、と。文学、絵画、アニメなどの芸術から、人体やホルモンの基礎知識、各国の食文化や動植物、名言や有名な法則まで、「モノにした」シールが子供達の達成感を高めてくれそう。

文/温水ゆかり

※女性セブン2021年2月4日号

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