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2021.02.05 07:00  週刊ポスト

対話ができない韓国・文在寅大統領 静かに末路を見守るのが現実解

盧元大統領と同じ運命?

 かてて加えて、アメリカのトランプ前大統領が文大統領を疎んじていたという証言もある。実際、2019年6月の板門店におけるトランプ前大統領と金正恩総書記の米朝首脳会談でも、文大統領は“仲人”のようにふるまいながら、会場では座る椅子さえも用意されず、完全に蚊帳の外だった。今では金正恩総書記からも相手にされていない。

 そして対日関係では、元慰安婦問題と元徴用工問題をはじめ、これまでの両国間の条約や合意を次々と反故にし、さらに国際法も無視して反日を繰り返す韓国側の姿勢に多くの日本人が呆れ、嫌韓ムードが拡大している。韓流ドラマやK-POPなどのエンターテインメントの人気だけは例外だが、政治的な日韓関係は戦後最悪とも言われている。

 しかし、文大統領の言動からは、真摯に日本を理解して日韓関係を改善しようという意志は微塵も感じられない。冒頭で紹介した年頭会見の発言も、あくまで表面的なものであり、たとえ日本政府が友好的な働きかけをしても、そもそも“基本言語”が違うので、まともな対話はできないと思う。

 文大統領の任期は2022年5月までだから、残り1年3か月。このまま支持率が低迷したら、今後はどんどんレームダック化して何もできなくなるだろう。

 韓国の歴代大統領は退任後、ことごとく逮捕・投獄されてきた。もしかすると、文大統領も最後は弁護士時代からの“師”であり、検察の事情聴取後に飛び降り自殺した盧武鉉元大統領と同じような運命をたどるかもしれない。

 そういう事態を回避するため、文大統領は“第二検察”として検事総長や検事、判事なども捜査対象とする「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」を発足させて検察の力を削ごうとしているが、その企みは明白で、もはや国民の信用を失っているから求心力を回復するのは難しいと思う。今後また反日の動きがあっても、あるいは急に秋波を送ってきても日本は無視し続け、文大統領退任までの“末路”を静かに見守るのが、日本にとっての現実解だろう。

【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊は『日本の論点2021~22』(プレジデント社)。ほかに小学館新書『新・仕事力 「テレワーク時代」に差がつく働き方』等、著書多数。

※週刊ポスト2021年2月12日号

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