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深夜ラジオ、巨人全盛期、米国発玩具… 1971年の日本を振り返る

(写真/時事通信社)

1月場所で32回目の優勝を果たした大鵬だが、同年に引退を決意。10月2日に蔵前国技館(現・両国国技館)で断髪式が行われた(写真/時事通信社)

 コロナ騒動は長引き、どこか閉塞感が漂う2021年。しかし今から50年前の1971年、日本は希望と元気に満ち溢れていた。こんな今だからこそ、50年前の世相を振り返る。

 子供に人気なものの代名詞であった「巨人・大鵬・卵焼き」。このフレーズは作家で経済企画庁長官も務めた堺屋太一さんが生みの親だ。コラムニストの泉麻人さんはいう。

「当時人気のあった横綱の大鵬が初優勝したのは1960年の11月場所ですが、引退を決意するのが1971年の5月場所のこと。大鵬が引退し、北の富士と玉の海の“北玉時代”が始まると思っていた矢先、玉の海が盲腸炎をこじらせて亡くなったのはショックでした」(泉さん)

 一方、野球では巨人が日本シリーズでV7を達成。まさに全盛期だった。翌年2月の札幌五輪70m級スキージャンプでは、日本チームが金銀銅のメダルを独占し、日本中が沸いた。

洋画のラブストーリーに憧れ、少女漫画に心酔した日々

 ベストセラーとなった作品には、イザヤ・ベンダサンの『日本人とユダヤ人』(角川文庫ソフィア)や高野悦子の『二十歳の原点』(新潮文庫)、北山修の『戦争を知らない子供たち』(角川文庫)などがある。下半期の芥川賞は李恢成の『砧をうつ女』(文藝春秋)だった。

「映画では『イージー・ライダー』などのアメリカン・ニューシネマが何度もリバイバル上映され、『ある愛の詩』や『小さな恋のメロディ』も大人気に。いま以上に“洋画を見る”のがおしゃれな過ごし方だったので、2対2や3対3のグループデートで洋画を見に行くことが、当時、結構ありましたね」(泉さん)

 少年漫画では『あしたのジョー』(講談社)と『男一匹ガキ大将』(集英社)が人気の双璧で、谷岡ヤスジは過激な作風で人気を集めた。その一方、当時の少女漫画にハマった女子も少なくなかった。スタイリストの中村のんさんはいう。

「あの頃は、一条ゆかりに夢中で、萩尾望都、竹宮惠子、大島弓子も大好きで貪り読んでいました」(中村さん)

 1971年は漫画界のレジェンドが登場した年でもある。

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