吉田みく「誰にだって言い分があります」

ママ友の「幼稚園の制服、おさがりはかわいそう」発言を聞き流せないジレンマ

兄弟のおさがりではかわいそう?(イメージ。Getty Images)

兄弟のおさがりではかわいそう?(イメージ。Getty Images)

 幼稚園や小学校などへの入園・入学準備が本格化する季節を迎えた。指定の制服や体操着、持ち物袋など、家庭で用意する身の回り品は多い。この春、長男、次男がそれぞれ小学校と幼稚園に入るという30代専業主婦に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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「私、息子に可哀想なことをしようとしていたんでしょうか……」。埼玉県在住の専業主婦、中田あゆみさん(仮名・33歳)は、ママ友から言われたあるひと言がきっかけで悩んでいた。中田家は、夫と6歳と3歳の息子の4人家族だという。

 中田さんの息子たちは、今春から小学校と幼稚園に通い始める。現在はその準備に追われているそうだ。特に面倒だと嘆いていたのは、制作物やカリキュラムで必要な物品を入れるレッスンバッグ。慣れないミシンの操作はストレスの塊だと話していた。

「事の発端は、次男と同い年の子供を持つご近所ママ(以下、Aさん)との何気ない会話。幼稚園準備の話になったとき、『我が家は長男のおさがりを使うからあまり準備がいらないの』と話したら……、『次男くんはおさがりで、長男くんは新品?……それってかわいそうじゃない?』と、少し怪訝な表情で言われてしまいました」(中田さん、以下同)

 長男のおさがりを使おうとしていたものは、体操服と制服とお弁当箱だった。全体的に使用感はあるものの、目立つ汚れや破れなどはないという。周りのママ友も兄弟姉妹のおさがりを使っていたこともあり、Aさんからの一言に、中田さんはびっくりしてしまったそうだ。

 だが中田さんの話を聞く限りでは、Aさんの考えは少数派のように感じる。聞き流すことはできないのだろうか。

「Aさんは私よりも年上で、ご近所の中でもボス的な存在。噂話が好きなようで、よく色々な話題を口にしています。おさがりの話題がきっかけで、『中田さんはお金に困っている』なんていう噂をされかねません。子供は同い年、それに自宅は持ち家なので、簡単には引っ越せない。すぐに関係を断つことはできないです」

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