田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国の春節映画が記録的大ヒット、日本が舞台の映画が好調

長澤まさみ、浅野忠信らが出演する『唐人街探案3』が中国で大ヒット中(北京。時事通信フォト)

長澤まさみ、浅野忠信らが出演する『唐人街探案3』が中国で大ヒット中(北京。時事通信フォト)

 いま中国では、春節映画が大人気だ。旧正月にあたる2月12日、中国全土で3400万を超える人が映画館に足を運んだ。今回、公開された作品は計7本。1日のチケット売上高は17億元(277億円、1元=16.3円で計算、以下同様)超となり、過去最高を記録した。

 グローバルで比較すると、土日を挟む1週間で最もチケット売上高が大きかったのは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(アメリカ)で1.57億ドル(164億8500万円、1ドル=105円で計算)。この記録も今回の春節映画『唐人街探案3』が塗り替えている。

 現地報道によれば、2月21日午後10時時点におけるチケット売上高(累計)トップは『ニイハオ、李煥英(Hi, Mom)』で、40億2500万元(656億円、1元=16.3円で計算、以下同様)。第2位はちょうどこの時刻に逆転されたのだが、それまでトップを独走してきた『唐人街探案3』。こちらは40億2400万元(656億円)である。

 以下順に、残りの作品を紹介しておくと、『刺殺小説家』が7億2800万元(119億円)、『熊出没・狂野大陸』が5億300万元(82億円)、『新神榜:ナタ重生』が3億2500万元(53億円)、『人潮ション涌』が2億7500万元(45億円)、『待神令』が2億3700万元(39億円)。

 日本では先月、アニメ映画『劇場版『鬼滅の刃』無限列車編』が『千と千尋の神隠し』の持つ記録を19年ぶりに塗り替えたと話題になった。公開日は2020年10月16日。今年1月25日に発表されたデータによれば、公開101日間で2667万人を動員、興行収入は365億円に達している。

『鬼滅の刃』も凄い記録だが、『ニイハオ、李煥英』、『唐人街探案3』は僅か10日足らずでこの数字だ。中国の映画市場は桁違いに大きいことがよく分かる。

 それぞれどんな内容だろうか。『ニイハオ、李煥英』は、コメディ女優ジャー・リンが監督、原作、脚本、主演を兼任。娘が20年前にタイムスリップして母親と会う話だが、“涙あり、笑いあり”の肉親の情をテーマにした作品で、ネット上では高い評価を得ている。

『唐人街探案3』は3と番号が打たれていることからわかる通り、シリーズ3作目である。1作目、2作目については『僕はチャイナタウンの名探偵』として、日本でも上映されている。

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