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中学受験失敗で家族・親戚関係に亀裂 娘は「今さら地元の公立に行けない」

娘は精一杯がんばったが…(イメージ)

娘は精一杯がんばったが…(イメージ)

 まもなく新学年が始まる時期に差し掛かり、子供がいる家庭は“塾通い”を検討する時期。幼い頃からたくさん勉強すれば、自ずと将来の選択肢が広がるため、中学受験を考えている親も多いだろう。しかし、中学受験をすれば幸せな未来が待っているとは限らない。中学受験を機に家族・親戚関係がガタガタになってしまうこともあるという。

 東京都葛飾区に住むMさん(40代/男性)は昨年、娘のKさんに中学受験をさせた。Mさんは、都内の私立大学を卒業して新聞社に就職。30代で結婚すると、ほどなく娘が生まれ、家族3人が仲睦まじく暮らしてきたが、娘が小学3年生の時に家族が衝突した。

「娘は幼稚園の頃からバレエを習っていて、『将来はバレリーナになる』と話していたのですが、3年生の夏休みが終わる頃、妻が『Kをそろそろ塾に行かせたい』と言い始めました。妻が言うには、最近の中学受験は小学3年生から塾に通うのが当たり前。バレエスクールのママ友に色々と吹き込まれたようです」(Mさん。以下「」内同)

 Mさんは、自分の小学生時代は勉強漬けで、強制的に中学受験させられたことに恨みがあり、自分の子供にはそんな思いはさせまいと考えていた。しかし妻はしきりに学歴の重要性を説き、そこで2人は大ゲンカ。娘は「バレエが出来なくなっちゃう」と泣いたが、結果的に妻の意見が通り、Kさんは塾に通うことになった。

 当初は塾とバレエスクールの両方に通っていたが、スケジュール的にも体力的にも無理だということが分かり、予想通りバレエを辞める羽目に。Mさんは、塾から課題として与えられたドリルの問題が解けず、悔し涙を流す娘を見て、いたたまれない気持ちになったこともあったという。

志望校選びバトルに義父母も参戦

 元来のマジメな性格から、Kさんの成績は徐々に伸びていったが、志望校を選ぶ際に再び夫婦は衝突する。

「私は、“中学受験さえクリアすればOK”という考え方がイヤで、大学の付属校ではない学校を勧めましたが、妻は付属校派。『受験なんて一生で1回すればいい』『文化祭に行ったら校舎がボロボロだった』『制服が可愛くない』など、私の意見をことごとく却下。さらに厄介なことに、そこに義理の両親も口を挟んできたんです。

 医師の義父が『医学部のある大学の付属校がいい』と言えば、義母は『私が通った○○(都内きってのお嬢様学校)にしなさい』と言い、妻もこれに同調。その頃、私が地方転勤で単身赴任になり、義父母に塾通いをサポートしてもらったため、気付けば志望校選びは妻や義父母に押し切られる形になってしまいました」

 Mさんの転勤先は新幹線で2時間ほどの距離だったが、家族が住む我が家に帰れるのはせいぜい月1回だった。「理由はどうであれ、娘のそばにいられなかったのだから仕方ない」と悔やむMさんだったが、騒動は終わらない。

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