国内

菅首相の盟友・ぐるなび滝会長「文化功労者」選出にもあの長男の影

接待騒動とは別の根深い問題が…(時事通信フォト)

接待騒動とは別の根深い問題が…(時事通信フォト)

 国会を揺るがす菅首相の長男による官僚接待問題では、霞が関からこんな声が上がる。「首相は人事で官僚を支配する。長男に誘われたら、断われないだろう」──それによって、首相に近しい人物が国を動かす力を持ち得てしまう。

 菅首相を取り巻く「ネポティズム(縁故主義)」の根深さ──文化人にとって文化勲章に次ぐ栄誉とされる「文化功労者」の選出をめぐり、さらなる問題が発覚した。ノンフィクション作家で『菅義偉の正体』著者の森功氏がレポートする(文中敬称略)。

 * * *

選出理由は「ペア碁」

〈ペア碁創案者の滝久雄 日本ペア碁協会名誉会長がこのたび、長年にわたりペア碁の普及、パブリックアートの普及(中略)など文化・芸術活動に多大な貢献を果たしたとして、2020年度(令和2年度)の文化功労者に選ばれました〉

 昨年10月27日付の日本ペア碁協会サイトには、本人が満面の笑みを浮かべてそう記している。毎年11月3日の文化の日を前に、文化勲章の受章者と文化功労者が選ばれる。その栄誉に輝いたのだから喜ぶのはさもありなんだ。が、永田町や霞が関ではそこに首を傾げる向きも少なくない。

 大手グルメサイト「ぐるなび」会長の滝は公益財団法人・日本ペア碁協会の名誉会長として普及に貢献したという。その選考への疑問もさることながら、政官界で疑問視される理由は別にある。首相の菅義偉、そしていままさに官僚接待問題の主役となっている菅の長男・正剛との距離感だ。

「Go Toイート」の受託事業者であるぐるなび会長と首相とは、菅が横浜市会議員だった頃からの付き合いで、滝の関連企業が菅側に献金もしてきた。滝が主催する囲碁大会をテレビ放映してきた東北新社の「囲碁・将棋チャンネル」は、正剛が取締役となっている。

「ペア碁大会ではイベント協賛企業から年間ざっと3億5000万円のスポンサー料が集まり、東北新社が番組を流してビジネスにしてきた。滝さんは東北新社や菅さんの息子にそれだけ気を遣ってきた。切っても切れない関係でしょうね」

 ある囲碁関係者はそう打ち明ける。男女のカップルが交互に石を置いて対局するペア碁の発案者である滝は、それだけでなく「ぐるなび杯」などの冠スポンサーとして囲碁イベントを主催。ペア碁の大会の表彰式に官房長官時代の菅が駆け付けていたのは週刊ポストの前号で報じた通りだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
優勝11回を果たした曙太郎さん(時事通信フォト)
故・曙太郎さん 史上初の外国出身横綱が角界を去った真相 「結婚で生じた後援会との亀裂」と「“高砂”襲名案への猛反対」
週刊ポスト
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン