たとえばアシカのカードには、「外国の絶えない殺戮によって、現在は絶滅してしまった」と記され、絵に描かれたアシカは涙を流している。
また「李承晩ライン」制定後の1953年に独島義勇守備隊を設立した軍人・洪淳七は、「独島を脅かす外国から独島を守った守備隊の隊長」と紹介される。ゲームを通じて、韓国側から見た歴史認識を身に付けられるということのようだ。
「ゲーム内で日本は直接名指しされてはいませんが、『独島のアシカを全滅させたのは日本人』というのは韓国内の定説であり、洪淳七は独島に『不法侵入』した日本の警備艇に対抗した英雄とされます。ゲームをするなかで親や大人が子供にそうした“補足説明”を繰り返すことにより、『日本の蛮行』が教育されていくことになるわけです」(平井氏)
日本のすごろくや人生ゲームなどでは、なかなか考えられない“活用法”である。
※週刊ポスト2021年4月2日号